榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

クイズ番組の決勝で、まだ一文字も問題が読まれていない段階で対戦相手が正答できたのはなぜか・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3401)】

【読書の森 2024年8月5日号】 情熱的読書人間のないしょ話(3401)

観察仲間が昨日、撮影したガのクロメンガタスズメ(写真1)の撮影場所に、本日、駆けつけたが、残念ながら出会えず(涙)。ツマグロヒョウモンの雌(写真2)、アカボシゴマダラ(写真3)、ニイニイゼミの抜け殻(写真4、5)、アブラゼミの雌(写真6)、クロバネツリアブ(写真7)、オオアオイトトンボの雌(写真8、9)、ノシメトンボ(写真10、11)、ナツアカネの雄(写真12)、オオシオカラトンボの雄(写真13)をカメラに収めました。今季初めて、ツクツクボウシの鳴き声を耳にしました。

閑話休題、トリヴィア(雑学的な知識)をひけらかし合うクイズ番組を、私は大嫌いなので、一切見ないことにしています。そういう類いの知識をいくら頭に詰め込んでも、人生の決断の役には立たないと考えているからです。

しかし、『君のクイズ』(小川哲著、朝日新聞出版)には、最初のページから引きずり込まれてしまいました。業界最高と位置づけられるクイズ番組「Q-1グランプリ」の決勝に進出した三島玲央(れお)は、最終問題で、対戦相手である東大医学部4年生の本庄絆(きずな)がまだ一文字も問題が読まれていない段階でボタンを押し、正解し、優勝賞金1千万円を獲得したことに疑念を抱きます。

なぜ、本庄は問題を聞かずに正答できたのか、三島は真相を解明すべく、執念深く調査を続けます。

その結果、驚くべきことが明らかになります。

この先、物語はどう展開するのだろうかとハラハラドキドキしながら読み進むうちに、クイズというものの奥深さ、クイズプレイヤーの思考回路・戦略戦術、クイズ業界の論理――をかなり詳しく知ることができました。だからと言って、クイズ番組を見ないというマイ・ルールに変更はありません。