口に挿し込まれたフックでマンションの13階から吊るされた女の全裸死体・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3468)】
【読書の森 2024年10月7日号】
情熱的読書人間のないしょ話(3468)
隣家でアサガオが咲いています。
閑話休題、『連続殺人鬼カエル男』(中山七里著、宝島社文庫)は、衝撃的なシーンから始まります。
マンションの13階から一糸まとわぬ女の肉体がフックで吊るされ、ゆうらり、ゆうらり、揺れているのが発見されます。庇に埋め込まれた金属製のフックが口から挿し込まれ、上顎を貫通し、切っ先が鼻の横から突き出ています。そして、「きょう、かえるをつかまえたよ。はこのなかにいれていろいろあそんだけど、だんだんあきてきた。おもいついた。みのむしのかっこうにしてみよう。くちからはりをつけてたかいたかいところにつるしてみよう」と書かれた紙片が添えられています。
続いて、第2の事件(被害者は老人男性)、第3の事件(被害者は小学生男子)、第4の事件(被害者は中年男性)が起こります、いずれの死体も陰惨な姿で。そして、同じような内容の紙片が添えられています。
埼玉県警捜査一課のヴェテラン刑事・渡瀬と新人刑事・古手川のコンビが犯人捜しに奔走します。
このように異常な犯罪を繰り返す犯人とは?
やがて、古手川は、一見ばらばらに見えた被害者の共通点に気づきます。
二人が漸く犯人に辿り着いたと思った直後にどんでん返しが。さらに、どんでん返し。また、どんでん返し。またまた、どんでん返し――と、どんでん返しの連続に、息つく遑もありません。
本格推理小説育ちの私には、本作品は推理小説というよりも、恐怖小説という印象が強く残りました。