榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

真に優れた仕事術の本に出会えるか否かが、あなたの運命を決めてしまう・・・【MRのための読書論(229)】

【ミクスOnline 2025年1月27日号】 MRのための読書論(229)

最高・最強の仕事術の本

これまで数百冊、内外の仕事術の書籍を読み漁ってきたが、『仕事術――工夫ひとつで能率倍増』(黒川康正著、ごま書房)が最高・最強の本と確信している。真に優れた仕事術の本に出会えるか否かが、あなたのビジネスパースンとしての運命を決めてしまうだろう。

イキイキ・ワクワク仕事術10カ条

この『仕事術』の中から、ぜひ身に付けるべき10カ条を、私の独断で選び出して、ご紹介しよう。

●第1条=まず、すべきことを箇条書きにリストし、それを重要な順に並べ替え、その順番に従って処理していく。

●第2条=20対80のパレートの法則を応用して、仕事に使先順位をつけ、重要な20%の部分を優先的、集中的にこなしていく。

●第3条=「そんなことはできっこない」と考えずに、仕事前に「できる!」自分流の自己暗示をかける。

●第4条=複雑な仕事は、全体を幹から枝、さらにその小枝へと分解する系統樹を描いて整理すると、どこから手を付けたらいいのかが一目で分かる。

●第5条=自分の処理できる範囲に分けて、少しずつ片づけていけばいいと、細分化して考えると、大きく見える仕事も楽に処理できる。

●第6条=なかなか解決できない問題は、紙に書き出してみると、意外と簡単に結論が出る。

●第7条=仕事の完成図を思い浮かべながら取り組むと、単純作業も楽しくなる。

●第8条=自分の実績を振り返ってみると、仕事の進め方の問題点が見つかる。

●第9条=従来の方法を疑い、より合理的な、新しい自分なりの方法を求めて、仕事の進め方を変えてみる。

●第10条=気になることは、メモしておけば、そのことを一時忘れることができ、頭をもっと大事なことに使える。

能率術

『仕事術』の続篇というべき『能率術――道具・時間・情報をフル稼働させるコツ』(黒川康正著、ごま書房)からも効果的なヒントが得られる。

●会議の能率を上げるには、事前に「問題点」「対策」などの用紙を配り、提出させる。

●昼休みを情報交換のプライムタイム(ゴールデンタイム)と位置づける。

●昼食時に人と会うときのためにも、行きつけのレストランを確保しておく。

●たとえ相手が留守番電話だったとしても、必ず用件は入れておく。

●出張先から社への電話は、かける時刻を決めておく。

●通勤時間に必ず手帳を見る習慣をつけておく。

38年前に出版された本だが、真に優れた教えは古びない。ぜひ、お試しあれ。