昔話「力太郎」はどこからやって来たのか・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3592)】
【読書の森 2025年2月4日号】
情熱的読書人間のないしょ話(3592)
日本では数例しか観察記録がないという、ごく稀な迷鳥・ヤブヨシキリ(別名:シベリアヨシキリ)が入っているとのことなので、野鳥観察仲間に同行させてもらいました。因みに、「入っている」というのは、その場所に、その野鳥が出現しているという、バード・ウォッチャー仲間の言葉です。車で片道1時間半の現地で2時間粘った甲斐があり、幸運にも、辛うじてヤブヨシキリを撮影することができました(写真1~5)。写真6は,現地で行き合ったバード・ウォッチャーが前日撮影したヤブヨシキリ。100mほど先のタゲリ(写真7)、トビ(写真8)、モモイロペリカン(写真9~16)をカメラに収めました。写真14はオナガガモの雄と雌が、写真15はカルガモが、写真16はカワウが写り込んでいます。
閑話休題、貧しい爺と婆の垢から生まれた「ちからたろう(力太郎)」が、二人の不思議な仲間を引き連れて化け物を退治する、『ちからたろう』という絵本を知っていますか。
『昔話「力太郎」ユーラシアを翔ける――比較民話学の試み』(斧原孝守著、三弥井書店)では、昔話「力太郎」がどこからやって来たかを著者自身が遂に突き止めるまでが綴られています。
比較民話学の学術的な部分はすっ飛ばして、私なりにまとめると、こういうことになります。
●日本の東北地方に伝わる←中国西北と中国西南の少数民族に伝わる←ユーラシア中央部からヨーロッパにかけて存在した昔話。
●韓国や中国(漢民族)には伝わらなかった。
●「力太郎」を「桃太郎」の原型と見做す説もあるが、この2つは別系統に属する。
絵本『ちからたろう』(今江祥智文、田島征三絵、ポプラ社)を読みたくなってしまいました。