まずしい じいさまと ばあさまの からだの あかから うまれた ちからたろう・・・【山椒読書論(831)】
【読書の森 2025年2月5日号】
山椒読書論(831)
昔話「力太郎」がどこからやって来たかを著者自身が遂に突き止めるまでが綴られている『昔話「力太郎」ユーラシアを翔ける――比較民話学の試み』(斧原孝守著、三弥井書店)の影響で、絵本『ちからたろう』(いまえ よしとも文、たしま せいぞう絵、ポプラ社・むかしむかし絵本)を読みたくなってしまった。
まずしい じいさまと ばあさまの からだの あかから うまれた ちからたろう。
でかい わかものに そだった ちからたろうは おらの ちからが どんくらい ひとの やくにたつものか、ためしてみてえ と まちを めざす。
おおきな おおきな ばけものに さらわれていくみを なげきなく まちいちばんの ちょうじゃの むすめ。
ばけものと ちからたろうの くんずほぐれつの たたかい。
ばけものを たいじした ちからたろうは たすけた むすめと いっしょになり じいさま ばあさまを むかえた とさ。
何とも大胆な絵と親しみやすい文の見事な融合。民話の魅力を再確認。
これから先、落ち込むことがあったら、『ちからたろう』を読み返そうっと。