明智光秀は、長宗我部元親が織田信長に譲歩したことを知らずに本能寺の変を起こした・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3699)】
【読書の森 2025年5月13日号】
情熱的読書人間のないしょ話(3699)
東京・八王子の多摩森林科学園の「森の科学館」で、動物たちの頭骨に出会うことができました。
閑話休題、『裏切り合戦図鑑――強い武将ほど恨んでいた!』(YUKIMURA著、小和田哲男監修、KADOKAWA)は、好感が持てる一冊です。
30の裏切り合戦が、イラストと図解を活用して丁寧に解説されているだけでなく、それぞれの合戦の原因や動機について、通説を紹介した上で、著者自身の見解が明示されているからです。
例えば、本能寺の変の動機については、明智光秀の四国征伐回避説支持を表明しています。そして、注目すべきは、長宗我部元親が光秀の重臣・斎藤利三に宛てた「逆らわないので四国侵攻はやめてほしい」という書状を光秀は知らずに本能寺の変を実行した、利三も光秀もこの書状を受け取っていないから石谷家に残っているのだと推考していることです。
関ヶ原の戦いで、臆病者として描かれることの多い小早川秀秋は、実は肝が据わった大胆な男だったのではないかと持論を展開しています。