よく上演される歌舞伎のあらすじと、史実との関係が分かるユニークな一冊・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3723)】
【読書の森 2025年6月6日号】
情熱的読書人間のないしょ話(3723)
コウノトリ(写真2~4)が巣作りを始めているようです。初見のヒオドシチョウの雌(写真5)を撮影することができました! しかし、残念ながら、鮮やかな赤色の表面は撮影に失敗。さまざまな色合いのタチアオイ(写真6~15)が咲いています。タチアオイの世話をしている女性・増田さんによれば、今年はラミーカミキリを見ていないとのこと。タチアオイにいるヒメハラナガツチバチの雌(写真14、15)、ナミテントウ(写真16)をカメラに収めました。因みに、本日の歩数は12,908でした。
閑話休題、『これぞ! 歌舞伎――そのあらすじと史実』(大石学編著、清水書院)は、よく上演される歌舞伎のあらすじと、そのモデルとなった史実との関係が分かり易く解説されているユニークな一冊です。
●義経千本桜
▶題名の源義経は主役ではなく、むしろ視点人物のような役回りで、源氏方・平家方、貴族・平民、老若男女といった属性に関係なく運命に翻弄されていく様々な人々の姿が描かれる。
▶史実では義経によって死に至らしめられた平知盛・維盛・教経が、『義経千本桜』では、実は生き延びているという設定になっている。
●勧進帳
▶『勧進帳』は、兄・源頼朝と不仲になり奥州に逃れていく「作り山伏(=偽山伏)」姿の源義経主従が安宅の関で見破られそうになる出来事が演じられる。
▶安宅の関が実際に存在したのか疑わしいが、主役の武蔵坊弁慶は実在の人物であり、義経主従が「作り山伏」となって下っていったことは真実性がある。
●鼠小紋東君新形
▶鼠小僧次郎吉は、歌舞伎の世界では義賊として知られている。
▶しかし、実在の鼠小僧は、武家屋敷の奥向きの女性など弱者を狙い、盗んだ金は酒食、遊興、博打などに使用した、卑劣かつ悪質な盗賊であった。