トランプ・ショックに、日本はどう対処すべきか・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3764)】
昼食の冷やし饂飩に、庭師(女房)が庭から摘んできたシソが刻まれて、ちょこんと載っています。
閑話休題、『ゲームチェンジ ――トランプ2.0の世界と日本の戦い方』(大前研一著、プレジデント社)では、トランプ・ショックに翻弄されている日本がどう対処すべきか、時宜を得た、かつ的を射た提言がなされています。
●トランプ・ショックは静観せよ。
▶実は世界で最もいいものを最も安く買って、自国の消費者に安く届けるということで、インフレが起こらずに物価が安定し、成功してきたのが、アメリカという国なのである。このような現実を知ってか知らずか、トランプ大統領はすべてを貿易相手国の責任に転嫁して、現実を直視しようとしない。
▶トランプ現象は、単にトランプ大統領個人の資質にとどまらず、アメリカ国民そのものの変質を映し出している。アメリカは、もはやかつてのアメリカではなくなった。もはや世界の模範でも自由主義陣営のリーダーでもないし、その気概すらない。国民の側も、品性も知識も知恵も欠いた、下品の極みのようなリーダーを再び大統領に選ぶほど変質してしまったのである。
▶トランプ政策の間隙を突いて、中国が世界中に影響力を拡大する展開は、火を見るより明らかである。結果的に、彼は「最も嫌っている中国の躍進」を自ら招いてしまうのである。
▶日本は、トランプ大統領の言動に一喜一憂する必要はまったくない。「柳に風」の姿勢、すなわち柔軟に、そして静かに状況を見守る戦略を推奨する。日本企業には、長年の経験によって、縦横斜めにどちらにも対応できる柔軟性が備わっている。
▶アメリカ経済の本質的な強さ、とりわけテクノロジー分野でのマグニフィセント・セブン(グーグル、アマゾン、メタ、アップル、マイクロソフト、テスラ、エヌビディア)の圧倒的な力を正しく理解すべきである。トランプ大統領の「アメリカは弱い」という前提は、現実をまったく反映していない。
●観光立国――インバウンドで50兆円を目指せ。
●生成AI時代に適した教育に改革せよ。
▶親は答えを教えるのではなく、子どもの「質問する力」を養い育てていくことが求められている。