最高・最強・最適な量子論入門書・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3768)】
千葉・柏の「あけぼの山農業公園」では、ヒマワリ(写1~8)、‘オオガハス’(写真9~11)が見頃を迎えています。ガマの穂(写真12、13)が風に揺れています。ごく近くでミンミンゼミが鳴いているのに、撮影できず。我が家では、アサガオ(写真14、15)が咲き始めました。
閑話休題、『見てわかる量子論入門ショートストーリー200』(ジェマ・ラヴェンダー著、伊藤郁夫・日野雅之訳、丸善出版)のおかげで、量子論に関する最新情報に接することができました。
●量子物理学は先端的な物理学のため、科学者によって考え方や解釈が異なるが、微視的な世界では確率が支配しているという共通理解がある。位置や運動量など粒子の基本性質は確率に支配されている。
●確率的であることは、ある科学者にとっては、あらゆる可能性が起こり得る並行宇宙やマルチバースを意味している。数学的にはマルチバースが確かに存在し得るにも拘わらず、その「多世界解釈」の正当性を示す直接の証拠は未だみつかっていない。
●量子物理学の本質の解釈について今もなお議論が止まないにも拘わらず、無数の分野でしっかりと応用されている。コンピュータや電話、テレビ、タブレット端末に応用されている電子工学の技術は量子物理学なくしてはあり得ない。レーザーは原子の量子化されたエネルギー準位の応用であり、医学のMRI画像技術は体内で起こっている量子力学的な反応を用いている。量子物理学の原理を応用した量子コンピュータは古典的なコンピュータに比べて計算の高速化が期待できる。
●量子物理学は究極の「万物の理論」へ向かうための段階の一つでもあり、ビッグバンの起源や宇宙の大規模構造の問題にも光を投じている。さらに、科学者は人間の意識さえも本来は量子力学的であるという議論をしている。
アルベルト・アインシュタインの相対性理論、エルヴィン・シュレーディンガーの波動方程式、シュレーディンガーの猫、ヴェルナー・ハイゼンベルクの不確定性原理、ビッグバン理論、インフレーション理論、インフレーションマルチバース理論、多世界解釈、ダークエネルギー、ダークマター、宇宙の運命、量子重力理論、万物の理論、超弦理論、量子生物学、人間原理――などについても、図を活用して、簡にして要を得た解説がなされています。
●ビッグバン理論は、宇宙がどのようにして誕生したのかを説明するものと思われがちだが、実は宇宙誕生の直後に起きたことを説明する理論に過ぎない。
●インフレーションは宇宙の始まりから10-36秒ほど経過した後に起きた。
●インフレーションがどのようにして始まり、どうやって終わったのかについては分かっていない。
●万物の理論の一番有力な候補と考えられている超弦理論の傍証はいくつかあるものの、今のところ素粒子が確かに振動するひもであることを実験的に確かめることはできていない。
●植物の光合成も量子物理学の作用によるものである。
――といった驚くべきことも学ぶことができました。
最高・最強・最適な量子論入門書です。