榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

著者がフェイスブック上の出会い系サイトで知り合った、さまざまな人たちと実際に会って、その人に合いそうな本をすすめたことを綴ったエッセイ集・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3852)】

【読書の森 2025年10月9日号】 情熱的読書人間のないしょ話(3852)

早朝、2階のヴェランダで洗濯物を干そうとした女房が駆け下りてきて、モクレンの葉に見かけない白っぽいカメムシがいるわよ、と。不鮮明だが、ツマジロカメムシの幼虫(写真1)をカメラに収めることができました。ミズヒキ(写真2)、キンミズヒキ(写真3)、コスモス(写真4~9)、キクイモ(写真10、11)が咲いています。

閑話休題、『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』(花田菜々子著、河出文庫)は、著者がフェイスブック上の出会い系サイトで知り合った、さまざまな人たちと実際に会って、その人に合いそうな本をすすめたことを綴ったエッセイ集です。著者は、本と雑貨を売るチェーン店の店長です。

著者が編み出したのが、「あなたが素敵」+「この本素敵」=「素敵なあなただから素敵なこの本がおすすめです」という作戦です。

「『つらくなったとき、あの本を読めばそれはすてきな俺をすてきな俺でいさせてくれるものであるらしい』とその人が心の片隅にでも留めてくれたなら、私もその人の前に現れ、この活動をさせてもらった価値がやっと発生するというものだ」。

この著者のユニークな活動は、その書店員という立場を考慮に入れても、なかなかできることではないと思います。私の場合は、読みたい本が次から次へと現れるので、それらを読むのに忙しくて、相手にふさわしい本を選ぶなどという利他活動は、とても無理!無理!無理!