榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

現代版ベンジャミン・フランクリンともいうべきチャールズ・T・マンガーの発想と行動のエッセンスとは・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3928)】

【読書の森 2025年12月22日号】 情熱的読書人間のないしょ話(3928)

運よく、ウソの雄(写真1~3)に出くわすことができました。コゲラ(写真4)、シメ(写真5、6)、ヒヨドリ(写真7)、シジュウカラ(写真8)、ツグミ(写真9)をカメラに収めました。ツバキ(写真10~13)が咲いています。因みに、本日の歩数は15,064でした。

閑話休題、『チャールズ・T・マンガーの金言』(ピーター・D・カウフマン編、貫井佳子訳、日経BP・日本経済新聞出版)には、現代版ベンジャミン・フランクリンともいうべきチャールズ・T・マンガーの発想と行動のエッセンスがぎっしりと詰め込まれています。

マンガーは、6歳年下のウォーレン・バフェットが率いるバークシャー・ハザウェイの副会長を務めた人物で、バフェットは「チャーリーと私がパートナーになってから、もう45年がたつ。私はこれ以上ないほど、チャーリーに感謝している」と述べています。

本書に収められているマンガーの講演やスピーチには、彼の知性、ウィット、価値観が溢れています。彼の生涯に亘る学習や知的好奇心、節制、妬みや恨みを抱かない心構え、信頼性、他人の失敗から学ぶ姿勢、粘り強さ、客観性、自らの信念を疑ってみる態度等々は、投資ビジネスのみならず、人生を考える時のよき指南役となってくれることでしょう。

●企業の分析・評価におけるマンガーの「多重メンタルモデル」アプローチは、情報を収集、処理し、行動へと繋げるプロセスの枠組みとして機能する。

●知恵を得るには、まず自分が何を知らないかに気づくことだ。

●巨大企業のGEは、驚くべき手腕を発揮して官僚主義と戦ってきた。ただ、それを実現できたのは一人の天才が同社の経営に並々ならぬ情熱を傾けたからだ。しかも、若くしてトップの座に就き、長年に亘って采配を振ったのである。その天才とはジャック・ウェルチに他ならない。

●必要なのは頭の中にメンタルモデルの格子を儲けることだ。そして実際に経験したり、読書などで追体験したりしたことを、この強力なメンタルモデルの格子に引っかけていくのである。すると、いろいろな物事が次第に結びつくようになり、認識力が高まる。

●ウォーレンは父親を敬愛していた。父親は素晴らしい人だったが、強烈なイデオロギー信奉者で極右だった。幼い頃から父を見ていたウォーレンは、イデオロギーを危険なものと見做し、自分はしっかり距離を置いて生きていこうと決断した。人生を通じて貫いてきたその姿勢は、彼が物事を正確に捉える認知機能を養う上で大いに役立ったのである。

●カジノ側が圧倒的に有利なラスベガス式のギャンブルに100ドルを賭けるなどということは、一生やらない。やる意味が分からない。私は合法という名を借りて人を操るギャンブルが大嫌いだ。

●限界に囚われずに、ベン・フランクリンが『プア・リチャードの暦』で示した「自分でやりたいのならそうしなさい。嫌なら誰かに任せること」という処方箋に従い、多分野横断的な視点で考えなければならない。

●ケインズは言った。「難しいのは新しい考えを取り入れることではない。古い考えを捨てることだ」。同じことをアインシュタインはもっとうまく表現した。自分が頭脳を使う仕事で成功したのは「好奇心、集中力、粘り強さ、自己批判」のおかげだと。この場合の自己批判とは、自分自身が最も苦労して得た一番お気に入りのアイディアを葬り去ることを意味する。自分の間違ったアイディアを打ち壊すことに長けた人は、素晴らしい才能の持ち主である。

●世界有数の優良企業と見做されているバークシャー・ハザウェイのことを考えてみよ。有史以来、最も長い期間、巨額の資産を投資してきた実績を持つ企業と言えるかもしれない。10年に亘ってバークシャーの活動を支えてきたスキルがあっても、そのままでは次の10年にも同等の成果を上げることはできなかった。ウォーレン・バフェットは学習マシーンよろしく、常に学び続ける必要があった。

●ひとたび取り込んだ重要なアイディアは、絶えず実行に移さなければならない。プロのピアニストでも練習しなければコンサートでうまく演奏できないのと同じだ。だから私は多分野横断的なアプローチを常に実践しながら人生を歩んできた。

●「トラブルが起きると予期しながら人生を送りたい人がいるだろうか」と思うかもしれないが、私はそうやって生きてきた。そのように考える訓練をしてきたのだ。トラブルが起きることを念頭に置きながら長い人生を歩み、こうして84歳まで永らえてきた。

バフェットとマンガーの仲のよさが伝わってくる一冊です。