榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

ビジネスパーソンが、予測困難な時代を生き抜くのに必要なこと・・・【情熱的読書人間のないしょ話(1757)】

【amazon 『VUCA』 カスタマーレビュー 2020年2月5日】 情熱的読書人間のないしょ話(1757)

「兵(つわもの)どもが夢の跡」、千葉・流山の前ヶ崎城跡は、静まり返っています。因みに、本日の歩数は10,930でした。

閑話休題、『VUCA――変化の時代を生き抜く7つの条件』(柴田彰・岡部雅仁・加藤守和著、日本経済新聞出版社)は、今や、これまでの基準で「優秀な人」ほど淘汰される時代だと断言しています。まさに、ルールが変わってしまったというのです。

現代は、VUCAの時代だと規定しています。VUCAとは、Volatility(不安定さ)、Uncertainty(不確実さ)、Complexity(複雑さ)、Ambiguity(曖昧さ)の頭文字からなる造語で、「あらゆるものをとりまく環境が複雑性を増し、将来の予測が困難になった状態」を指します。「今までは、将来有望な会社に新卒入社し、定年まで勤め上げることが(ビジネスパーソンの)キャリアの勝ちパターンでした。しかし、VUCAの時代においては、会社そのものの存続も危うく、企業に依存したキャリアはリスクが大きいと言えます。これからのVUCAの時代に求められるのは、『主体的にキャリアを描き、勝ち取っていく人材』なのです」。

「VUCAの時代の日本人ビジネスパーソンが身につけるべきスキルはグローバルの『優秀』のエッセンスを取り込んだ『したたかさ』です。・・・優れた業績を上げる日本人リーダーには共通して有する能力が2つあります。1つは、『勝ち筋を見出す力』です。・・・2つ目は、『相手に合わせるコミュニケーション力』です」。

「VUCAの時代のスペシャリストは『知っている』というだけでは、通用しません。専門性を武器に問題解決をはかることが求められるのです」。

「VUCAの時代においては、時間と手間をかけた市場調査やあらゆるリスクを排するために検討を尽くした戦略や将来予測は、あまり役に立ちません。それらに代わって新たに求められるものは、アジリティの高さです。アジリティとは、『俊敏さ』『機敏さ』『回転の速さ』などを意味しますが、変化を敏感に察知し、柔軟かつ迅速に物事に対応しようとする力を指します」。

「VUCAの時代に求められる『アジリティの高い人材』とは、『多様な人材とつながりを持ち、様々な刺激を受け、既存の枠に収まらないアイデアを自由に生み出し、試行錯誤と自問自答を繰り返しながら俊敏に時代に対応しようとする人材』です」。VUCAの時代に成長できる人に共通する条件は、下記の7つです。①学びのアジリティ、②修羅場経験の幅、③客観的認識力、④パターン認識力、⑤リーダーの役割を担う内発的動機、⑥リーダーに適した性格特性、⑦自滅リスクを回避する力。

⑥のリーダーに適した性格特性として、大局性、粘り強さ、曖昧さの許容、積極性、前向きさ――の5つが挙げられています。