榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

自分にとってベストの相手を見つけるとはどういうことか・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3990)】

【読書の森 2026年2月15日号】 情熱的読書人間のないしょ話(3990)

ハシブトガラス(写真1)、ツグミ(写真2)、シメ(写真3、4)、メジロ(写真5)をカメラに収めました。ウメ(写真5~7)が咲いています。カワヅザクラ(写真8、9)が咲き始めました。

閑話休題、『ほかならぬ人へ』(白石一文著、祥伝社文庫)に収められている『ほかならぬ人へ』は、自分にとってベストの相手を見つけるとはどういうことか――を考えさせられる小説です。

名門の宇津木家の中で唯一といってもいい落ちこぼれの25歳の「俺」、明生は、スポーツ用品メーカーに就職して3年目の春、23歳の柴本なずなと池袋のキャバクラで知り合い、生まれて初めて自分の居場所を見つけたような気がしました。なずなの家族は、両親も弟妹もみんな高卒でした。「どうしてこんなきれいな子が俺なんかと、と明生は思った」。

なずなと結婚してからたった2年足らずで、明生はなずなから、昔の恋人で妻と離婚したばかりの根元真一のことが忘れられないと打ち明けられ、家庭内別居、家出、離婚という経過を辿ります。

なずなのことで悩む明生の話を聞いてくれたのが、明生より6歳年上の上司、東海さんです。「この1年間、東海さんと仕事を共にしてみて、彼女の気風のよさ、果断さ、明朗さ、積極性、さらには緻密な営業テクニックと明生は何から何まで見習うべきことばかりだと思うようになっていた。・・・その東海さんの唯一の玉にキズが、本人が日々口にするごとく『ブス』、『ブサイク』であることなのだった。確かに東海さんは全然美人ではなかった」。

『ベストの相手が見つかったときは、この人に間違いないっていう明らかな証拠があるんだ』。『人間の人生は、死ぬ前最後の一日でもいいから、そういうベストを見つけられたら成功なんだよ。言ってみれば宝探しとおんなじなんだ』。

果たして、明生はベストの証拠を見つけられたのでしょうか。

私が未来の女房を初めて見た時に見つけたベストの証拠は――内緒です。