榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

読むべきビジネス書、読んではいけないビジネス書・・・【続・リーダーのための読書論(7)】

【ほぼ日刊メディカルビシネス情報源 2011年9月5日号】 続・リーダーのための読書論(7)

ビジネス書「もどき本」とは

ビジネス書には2種類ある。まともなビジネス書と、いかがわしいビジネス書「もどき本」である。この「もどき本」の実体は、成功本といわれる自己啓発書であるが、これでも穏やかな言い方で、はっきり言えばインチキ本である。従って、著者にも2種類あることになる。まともな作家と、「もどき作家」である――『ビジネス書大バカ事典』(勢古浩爾著、三五館)の著者は、このように手厳しい。

この書は、流行作家に対しても遠慮せず切り込んでいるので、説得力がある。私などは、ビジネス書を読みたくなったときは必ず、その作家が「もどき作家」か否かをこの書で確かめる癖がついてしまったほどだ。

「もどき作家」は誰だ

「もどき本」とは、「誰でも成功できる」、「誰でも金持ちになれる」、「誰でも幸福になれる」と謳った本のことである。「もてる」、「痩せる」、「頭がよくなる」も同類だというのだ。

「恐るべき3人のつわもの」として、本田健、石井裕之、苫米地英人が挙げられている。「胡散くさい2人の導師」と名指しされているのは、斎藤一人と小林正観だ。「その場しのぎの一姫二太郎」とは、神田昌典、勝間和代、本田直之を指している。

読むべきビジネス書

著者は、「読むなら、経営者の自伝」と主張し、松下幸之助の『道をひらく』『商売心得帖』、本田宗一郎の『スピードに生きる』、石橋信夫の『不撓不屈の日々』、小倉昌男の『経営学』、稲盛和夫の『人生と経営』、岡野雅行の『僕が、つくる!』、永守重信の『情熱・熱意・執念の経営』、青木定雄の『社長の哲学』を薦めている。