先生が開業で失敗しないように応援できないか・・・【続・リーダーのための読書論(31)】
【ほぼ日刊メディカルビジネス情報源 2013年9月2日号】
続・リーダーのための読書論(31)
大学・基幹病院担当者との連携
私が開業医担当MRだった頃、大学・基幹病院担当の先輩MRから新規開業する先生を紹介され、担当を引き継ぐことがしばしばあった。そのほとんどの先生と親しい関係を築くことができ、やがて、その先生は重点開業医として私の実績を大きく支えてくれることになった。一方、私が大学・基幹病院担当であった時は、開業医担当の後輩MRを開業する先生に引き合わせ、後輩にその先生とのいい関係の保ち方を伝授したものである。
新規開業はチャンス
当時、こういう本があったなら、どんなに助かったことだろう。そう思わされるのが、『40のしまった!事例に学ぶ 診療所開業ガイドブック』(日経ヘルスケア編、日経BP社)である。開業を検討している先生、開業に踏み切る先生は、本人にとって初めての経験なので、診療には自信を持っている先生も、結構不安なのである。こういう場合、この本で学んだことを差し出がましくなく、上手に伝えるのだ。きっと、信頼を獲得することができるだろう。
開業で失敗しないために
本書には、これまでに開業した先輩医師が実際に経験した失敗のエピソードがふんだんに盛り込まれている。そして、開業を成功させるために、絶対押さえておかなければならないポイントが分かり易く、かつコンパクトにまとめられている。
例えば、このような項目が明快に説明されている。
●開業目的、理念を明確にする
●開業のタイミングは適切か
●医療モールでの開業
●周囲との連携体制
●診療圏調査
●競合医療機関の分析
●医院承継による開業と資金繰り
●好感度の高い診療所の設計
●職員の労務管理
●医院の広告
●ホームページの活用法
●身元保証書の意外な落とし穴
●紹介予定派遣を利用する
●SNSによる情報漏洩はこう防ぐ