榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

ユーモアは仕事の、そして人生の秘密兵器だ・・・【MRのための読書論(208)】

【ミクスOnline 2023年4月25日号】 MRのための読書論(208)

気難しいあなたへ

『ユーモアは最強の武器である――スタンフォード大学ビジネススクール人気講義』(ジェニファー・アーカー、ナオミ・バグドナス著、神崎朗子訳、東洋経済新報社)を読み、ちゃんと実行すれば、気難しいあなたもユーモアを身に付け、実際に使いこなせるようになるだろう。

「私たちが気難しく考えるのをやめると、ユーモアの妨げとなるストレスが緩和され、同僚たちと有意義な関係を築けるようになったり、革新的な解決策に取り組む意欲が湧いてきたりする」。

真面目さと陽気さ

●真面目さと陽気さのバランスが取れると、相乗効果が生まれる。

●もっとも重要なのは、もっと陽気さをもって世の中に向き合う方法を学ぶことだ。さらに、あなたならではのユーモアを磨いて駆使できるようになれたら最高だ。

ユーモアはスキル

●ユーモアは遺伝暗号によって「ある」か「ない」かが決まるものではなく、トレーニングと実践によって強化されるスキルなのだ。

●運動能力と同じように、ユーモアは鍛えることができる――スキルと努力を要するのだ。気分がよくなるし、健康にいいこともわかっているが、ときにがんばる必要がある。コメディーはユーモアを組み立てて実践するものだ。スポーツと同じように、コメディーもテクニックを自在に駆使する必要があり、膨大な練習を要する。

脳科学

「私たちが笑うと、脳内ではホルモンのカクテルが分泌され、ハッピーな気分になったり(ドーパミン)、人への信頼が深まったり(オキシトシン)、ストレスが緩和されたり(コルチゾールの減少)、ちょっぴり高揚感が湧いてきたりする(エンドルフィン)。私たちが仕事上のやりとりにもユーモアを効かせれば、同僚たちはこの効果抜群のホルモン・カクテルを味わえる。しかも相手の脳だけでなく、自分の脳でも、脳内化学物質の変化を起こすことができるのだ」。

仕事上の効果

①パワー=地位が高く知性が優れている人という印象を与え、相手の行動や意思決定に影響を及ぼ
す。こちらが提案したアイデアを覚えてもらいやすくなる。
②つながり=知り合ったばかりでも信頼感が生まれ、打ち解けることができる。長く続いている間
柄なら、なおさら満足感を覚える。
③創造力(クリエイティビティ)=それまで見落としていた関連性に気づきやすくなる。リスクの
あるアイデアや型破りなアイデアを思い切って提案できる。
④レジリエンス=ストレスが緩和され、挫折から立ち直りやすくなる。

●ユーモアを効果的に使うコツのひとつは、空気を読んで、その場にふさわしい態度や話し方に切り替えることなのだ。

●真剣さと陽気さの絶妙なバランスは、重大な問題に取り組むための強力な戦略であるだけでなく、必勝チームを築くための有効な秘策でもある。

●ユーモアと陽気さのカルチャーを築くと、チームの絆が強まって、最高の仕事をする力が引き出されるだけでなく、みんなが積極的に働きたくなる環境をつくることができる。

人生上の効果

①大胆さ=もっと大胆に生きることができる。
②自分らしさ=もっと自分らしく生きることができる。
③いま、この瞬間=かけがえのないひとときを、もっとちゃんと味わうことができる。
④喜び=もっと笑うことができる。気難しく考えなくなる。
⑤愛=愛していると言えるようになる。

●ユーモアは健康をもたらすので、寿命が延びる。