マッキンゼーの伝説の社内資料が書籍化された・・・【MRのための読書論(209)】
マッキンゼーの伝説の社内資料
『完全無欠の問題解決――不確実性を乗り越える7ステップアプローチ』(チャールズ・コン、ロバート・マクリーン著、吉良直人訳、ダイヤモンド社)は、世界有数のコンサルタント会社、マッキンゼー・アンド・カンパニーの「伝説の社内資料」が書籍化されたものである。従って、本書によって、問題解決の最高のメソッドを学ぶことができるというわけだ。
「問題解決とは、複雑さと不確実性が高く、明確な解決策が得られない場合、また良い答えを得るための努力に見合うだけの結果が得られる場合の意思決定のことである」。
問題解決で決定的に重要な7つの問い
ステップ1=意思決定者のニーズを満たすために、どのように問題を的確に定義するか?
ステップ2=どのように問題をばらばらに分解し、検討すべき仮説を立てるか?
ステップ3=やるべきこと、やるべきでないことの優先順位をどのようにつけるか?
ステップ4=どのように作業計画を策定し、分析作業を割り当てるか?
ステップ5=認知バイアスを避けながら、どのように問題を解決するための事実収集と分析を決めるか?
ステップ6=洞察を引き出すために、どのように調査結果を統合するか?
ステップ7=どのように説得力のある形で伝えるか?
多くの人が陥りがちな7つの落とし穴
①問題定義文があいまいなまま分析に入る。
②過去の経験のみに基づいて解決策を断言する。
③問題を細かく分解しない。
④チームの構造や規範を軽視している。
⑤分析ツールが不完全。
⑥分析結果と、行動を促すストーリーとを結びつけない。
⑦問題解決のプロセスを反復しない。
優れた問題解決者になるための13のポイント
●問題の定義が不十分だと問題解決は失敗する。
●問題定義文は具体的で、測定可能で、実用的で、関連性があり、時間枠が設定されていなければならない。
●すべての問題解決は「ロジックツリー」から始まる。
●最初のツリーで問題を素早く把握する。
●「優先順位付け」によって少ない労力で速く問題解決する。
●「分割フレーム」(価格か数量か、協力か競争か、市場か競争力か、投資か収穫か、規模か範囲か――など)で潜在的な解決策を映し出す。
●適切な作業計画がなければ時間と労力が無駄になる。
●チーム編成には「リーン」(細身)、「アジャイル」(敏捷)、「スクラム」(団結)を重視する。
●腰を据えて分析をする前に、大まかな方向性を把握する。
●問いを3つ立てるだけで、大まかな解決策にたどりつける(例えば、「今、膝関節鏡手術を受けるべきか?」なら、「不快感のレヴェルが高いか低いか?」→「状態は非変性か変性か?」→「運動選手か非選手か?」)。
●上司に突然進捗を聞かれても「現時点での答え」を即答できる。
●複雑な問題の分析には「奥の手」(ベイズ統計分析、回帰分析、モンテカルロ・シミュレーション、ランダム化比較試験、機械学習、ゲーム理論、クラウドソーシングなど)があり、専門家でなくとも使える。
●分析結果は「ロジックツリー」状にまとめると相手に伝わりやすい。
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