アラン、ラッセル、ヒルティの幸福論、それともあなた自身の幸福論?・・・【あなたの人生が最高に輝く時(71)】
感情の本質
『人間はたまねぎ――自分の心の取扱説明書(トリセツ)をつくろう!』(小川仁志著、ワニブックス)は、6つの感情――●達成感(~できた!)、●義務感(~しないといけない)、●罪悪感(~してしまった)、●親近感(~といると落ちつくなぁ)、●嫌悪感(~を受け入れられない)、●劣等感(どうせ私は~)――に振り回されるな、これらとうまく付き合って幸福感(幸せだなぁ)に結び付けようと呼びかけている。
「大切なのは感情の本質をよく知り、それらとうまく付き合いながら自分のために使いこなすことです。そうすることで初めて、私たちは幸福に生きていくことができるのです」。
あなた自身の幸福論
幸せとは何なのか。「三大幸福論と呼ばれる3人の別の哲学者が書いた幸福論があります。アラン、ラッセル、ヒルティのそれです。いずれも有名でかつ特徴があります。アランの幸福論は、とにかく前向きに考えるよう呼びかける楽観主義が特徴です。また、ラッセルの幸福論は、趣味に没頭せよだとか、子どものころから刺激を与えすぎるなといった幸福の本質を突く現実的なものです。これに対して、ヒルティの幸福論は、キリスト教に基づく心の安寧を説くものです。ここで注意が必要なのは、一見異なるように見える彼らの主張に、ある重要な共通要素が存在する点です。それは、彼らの説く幸福がいずれも心の問題にすぎないということです。つまり、同じつらい状況を前にして、アランは前向きに考えろといいますし、ラッセルは現実的になれという。ヒルティは神に身を委ねよというのです。これらはすべて、気持ち次第で幸福感が得られることを示しています。ということは、自分の中に生じる感情をうまく使いこなすことができれば、幸福になれるということです」。感情をうまく使いこなせば、誰でも幸せになれるというのだ。
「『努力した』という経験(達成感)こそが、あなたを幸せにする」、「義務感があるのは、誰かに必要とされている証」、「罪悪感があるから、人は何度でも生まれ変われる」、「親近感を育てることが幸せへの近道」、「嫌悪を乗り越えた後に幸福はやってくる」、「人は(他人が持っていて、自分には備わっていない)何かを追い求めている時に、幸せを感じる」――本書で、義務感や罪悪感、劣等感までが幸福に繋がり得ることを学んだので、私も幸福になれそうな予感がする。