目から鱗が落ちる江戸庶民の生活の実態・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2189)】
セイヨウシャクナゲ(写真1)、ホンシャクナゲ(写真2)、アイスランド・ポピー(写真3、4)、ジャーマンアイリス(写真5~7)、ヤグルマギク(写真8~10)、キンセンカ(写真11)、ツルニチニチソウ(写真12)が咲いています。我が家の庭では、桃色のに続いて白いクルメツツジ(キリシマツツジ。写真13)が咲き始めました。
閑話休題、『大江戸 年中行事の作法』(小和田哲男監修、GB)で、イラストと簡にして要を得た文章で紹介されている江戸の町人の生活実態は、目から鱗が落ちるものばかりです。
●禁止令が出されるほど、大人も凧揚げに夢中になった。
●江戸っ子はお金を払ってでも、いい初夢を見たかった。
●正月は芸人たちが家々を回ってショーを披露した。獅子舞、万歳、鳥追、香具師(やし)、綾織、鹿島の事触れ、わいわい天王、飴屋踊り、猿回し、辻謡、一人相撲など多彩だった。
●正月に初詣に出掛ける人は少数派だった。
●神社は町の美術館! 江戸の絵馬は巨大だった。
●紙製の立っていたひな人形は、どんどんゴージャスに!
●コスプレをして参加する者も! 江戸っ子が愛した花見イベント。
●寺社への参拝を名目に、遊びに行くのが江戸の流儀。
●江戸時代の「衣替え」とは、服の厚みを変えることだった。
●端午の節句の鯉幟は、1本の竿に1匹しかいなかった。
●江戸時代の屋形船は、家一軒ほどの大きさがあった。
●高い建物がない江戸の町では、遠くからでも花火がよく見えた。
●土用の丑の日は、「う」のつく食べ物なら何でもよかった。
●江戸庶民の中で、富士登山が爆発的ブームだった。
●七夕は江戸の町が竹林に! 芸事上達を星に願った。
●欲望と金が渦巻く吉原の美しい女たち。吉原は庶民にとっては高嶺の花、よほどの富裕者しか遊べなかった。
●非公式・非公認の江戸の人気キャバクラ「岡場所」。吉原には行けない庶民がこぞって岡場所に殺到した。岡場所とは、私娼を集めた非公認・非合法の色街(遊女屋の集まる場所)。
●秋の菊と春の桜――江戸っ子が愛した季節の花。
●酒飲みの江戸っ子が多すぎて、幕府は生産量を下げさせた。ひとり身の男が多すぎて、江戸では酒造りが制限された。酒の人気どころは灘・伊丹・池田。
●油を使う冬は、毎日のように火災が起きた。
●寺社の再建費を捻出するために、幕府は相撲を認めた。
●朝4時起床で席取りも当たり前! 芝居は最高のエンターテインメント。
●嗜好品から日用品まで何でも揃う、行商人は移動式のコンビニだった。
●煙草は江戸っ子に愛された大人気の嗜好品。
●かわら版は江戸時代のタブロイド紙。
●身分を問わず裸で付き合える! 銭湯は大人のサロン。初期には混浴が普通だったが、やがて風紀の乱れを懸念する幕府が禁じて男女別になる。
何とも愉しめる一冊です。