ワタルとゼガは懐かしいケニヤに辿り着くが、ケートと戦争孤児の双子が到着していないことを知る・・・【山椒読書論(808)】
【読書クラブ 本好きですか? 2023年9月7日号】
山椒読書論(808)
昭和20~30年代のことだが、子供時代の私は、やれ熱っぽいだの、風邪気味だの、腹の調子が悪いだのと、掛かり付けの河見(こうみ)小児科医院をしょっちゅう訪れていた。そして、その狭い待合室の本棚に並んでいた山川惣治の『少年王者』と『少年ケニヤ』シリーズを読むのを楽しみにしていた。当時のワクワク感を再び味わいたくて、絵物語『少年ケニヤ』(山川惣治著、角川文庫、全20巻)を購入した。
『少年ケニヤ(19)』――ワタルとゼガは困難を乗り越えて、懐かしいケニヤに辿り着き、ゼガの甥の原始マサイ族の若酋長・ワカギたちから大歓迎される。しかし、ケートと戦争孤児の双子ポイ、トーチが到着していないことを知り、三人を捜す旅に出る。
ワタルの冒険は、つ・づ・く。