「サヨナラ」ダケガ人生ダ・・・【ことばのオアシス(2)】
【薬事日報 2009年6月8日号】
ことばのオアシス(2)
「サヨナラ」ダケガ人生ダ
――井伏鱒二
コノサカヅキヲ受ケテクレ
ドウゾナミナミツガシテオクレ
ハナニアラシノタトヘ(エ)モアルゾ
「サヨナラ」ダケガ人生ダ
于武陵の「酒を勧む」という漢詩を井伏鱒二が訳したものであるが、大胆な意訳が成功し、人口に膾炙している。『厄除け詩集』(講談社文芸文庫)所収。
志と気概の吐露、逆鏡への嘆き、激しい恋と熱き友情、旅の孤独、老いと悟りの境地、そして別離の思い――漢詩には人生のエッセンスが凝縮している。
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