死んだ女より もつ(っ)と哀れなのは 忘(れ)られた女です。・・・【ことばのオアシス(9)】
【薬事日報 2009年8月10日号】
ことばのオアシス(9)
死んだ女より もつ(っ)と哀れなのは 忘(れ)られた女です。
――マリー・ローランサン
独特のパステルカラーの画家として知られるマリー・ローランサンは、「退屈な女より もつ(っ)と哀れなのは かなしい女です。かなしい女より もつ(っ)と哀れなのは 不幸な女です。・・・捨てられた女より もつ(っ)と哀れなのは よるべない女です。・・・追は(わ)れた女より もつ(っ)と哀れなのは 死んだ女です。死んだ女より もつ(っ)と哀れなのは 忘(れ)られた女です」という、「鎮静剤」と名づけた詩も書いている。
これは、若き日にスペインのマドリードで亡命中のローランサンと出会い、交友を結んだ堀口大學の訳。訳詩集『月下の一群』(講談社文芸文庫)所収。
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