おそるべき君等の乳房夏来(きた)る・・・【ことばのオアシス(6)】
【薬事日報 2009年7月13日号】
ことばのオアシス(6)
おそるべき君等の乳房夏来(きた)る
――西東三鬼
「薄いブラウスに盛り上った豊かな乳房は、見まいと思っても見ないで居(い)られない。彼女等はそれを知ってゐ(い)て誇示する。彼女等は知らなくても万物の創造者が誇示せしめる」と、西東三鬼(さいとう・さんき)自身が昭和23年刊の『三鬼百句』で解説している。
一方、日野草城(そうじょう)には、「牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹(ぼたん)の夜(よ)」、「いっぴきの女と眠る梅雨(つゆ)の夜(よる)」という句がある。
芭蕉や蕪村の句もいいが、こういう艶っぽい俳句もなかなか味わい深い。
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