大陸移動という観念を私が初めて思いついたのは、1910年のことであった。・・・【ことばのオアシス(63)】
【薬事日報 2011年3月25日号】
ことばのオアシス(63)
大陸移動という観念を私が初めて思いついたのは、1910年のことであった。それは世界地図を見て、大西洋の両岸の海岸線の凹凸がよく合致するのに気がついた時であった。
――アルフレート・ヴェーゲナー
気象学者、アルフレート・ヴェーゲナーが『大陸と海洋の起源』に、こう記している。南アメリカの東側とアフリカの西側の海岸線の形がよく似ていること、ペルム紀の同種の陸上動植物の化石が両大陸で見つかっていることから、これらはもともとは一つの巨大な大陸であったと主張したが、大陸を移動させる原動力を説明できなかったため、学界で認められなかった。地球内部のマントル対流が原動力と判明したのは、彼の死後のことであった。
そして、大陸は今も、ゆっくりと移動しているのである。
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