榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

己の分を弁えた人生もいいかも・・・【山椒読書論(337)】

【amazon 『チップス先生さようなら』 カスタマーレビュー 2013年12月13日】 山椒読書論(337)

チップス先生さようなら』(ジェームズ・ヒルトン著、菊池重三郎訳、新潮文庫)は、哀愁の味がする。

年老いたチップス先生の思い出話に耳を傾けていると、己の分を弁えた人生というのも、それなりにいいものだなと、ほっとさせられる。

23歳も年下の妻との幸福な2年間は、チップス先生の心の中で、いつまでもセピア色の輝きを失わない。