現在のロプ・ノールはどうなっているのか・・・【山椒読書論(407)】
【amazon 『幻の楼蘭 ロプ・ノールの謎』 カスタマーレビュー 2012年1月13日】
山椒読書論(407)
2001年と2003年に楼蘭を訪れた地質学者の手になる『幻の楼蘭 ロプ・ノールの謎』(松本征夫著、櫂歌書房。出版元品切れだが、amazonなどで入手可能)では、スウェン・ヘディンの「さまよえる湖」説を初め、ロプ・ノールの謎を巡る論争の歴史が要領よくまとめられている。それだけでなく、著者自身の説も明らかにされている。
著者によれば、現在のロプ・ノールは干上がっているという。この地域の乾燥化が進んだこと、タリム川上流にダムが建設されたことなどが、ロプ・ノール消滅の原因と思われる。また、1960年代よりロプ・ノール周辺地域が核実験場として使用されたという負の歴史も背負っている。
しかし、私の頭の中では、いつも、豊かな水を湛えたロプ・ノールが青々と広がっている。