アフリカを出たホモ・サピエンスは、いかにして世界に広がったのか・・・【山椒読書論(440)】
【amazon 『人類の足跡10万年全史』 カスタマーレビュー 2012年1月3日】
山椒読書論(440)
500万年前にアフリカで誕生した人類、アウストラロピテクスの仲間が200万年前にホモ属に進化し、180万年前にホモ・エレクトスがアフリカを旅立ち、東アジアにはその子孫のホモ・エレクトス・ペキネンシス(北京原人)が、東南アジアにはホモ・エレクトス・エレクトス(ジャワ原人)が、そしてヨーロッパにはホモ・ネアンデルターレンシス(ネアンデルタール人)が住んでいたが、やがて、これらの初期人類はすべて絶滅する。そして、20万~15万年前にアフリカで誕生した私たちの祖先、ホモ・サピエンスの一部が7万~6万年前にアフリカを旅立ち、世界中に広がったというのが、現在、遺伝子(ミトコンドリアDNAとY染色体DNA)の証拠に基づき広く認められている「出アフリカ起源説」である。
この「出アフリカ起源説」を詳しく知るには、『人類の足跡10万年全史』(スティーヴン・オッペンハイマー著、仲村明子訳、草思社)が最適である。アフリカを出たホモ・サピエンスは、いかにして世界の果てまで辿り着いたのか。最新の遺伝子学、化石記録、気候学を縦横に駆使し、出アフリカ後の人類の壮大なドラマが明らかにされている。