榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

原生代~新生代の古生物が、リアルなイラストで再現されている・・・【山椒読書論(678)】

【読書クラブ 本好きですか? 2022年3月9日号】 山椒読書論(678)

古生物大図鑑』(甲能直樹監修、ニュートンプレス・Newton大図鑑シリーズ)は、原生代(エディアカラ紀)から古生代(節足動物と魚類の時代。カンブリア紀、オルドビス紀、シルル紀、デボン紀、石炭紀元、ペルム紀)、中生代(恐竜たちの時代。三畳紀、ジュラ紀、白亜紀)を経て新生代(哺乳類の時代。古第三紀、新第三紀。第四紀)に至る約40億年間の古生物が、「背景の植物の葉一枚一枚にまでこだわってえがかれたリアルなイラスト」によって俯瞰できる優れ物だ。「研究が進んだり、新たな発掘などがきっかけとなったりすることで、それまでの定説や知られていた姿形が大きく変化するのも、古生物を楽しむ醍醐味の一つといえるでしょう」。

先カンブリア時代で注目すべきは、優れた光合成能力を持つシアノバクテリアの出現である。

古生代のカンブリア紀~シルル紀には、現代に生きる動物の門がほぼ全て出揃った。この時代を代表するのは、生態系の頂点に君臨したアノマロカリスや、硬い殻を持つ節足動物・三葉虫である。

古生代のデボン紀~ペルム紀には、多種多様な魚類が出現し、水中に棲む魚類から陸で半生を送る両生類への進化も見られた。

中生代は、さまざまな恐竜たちの興亡の時代であった。人類が属する霊長類は白亜紀に出現した。

新生代に入り、哺乳類が多様化した。

大人も子供も楽しめる一冊である。