自分好みの庭が持てる人は幸せである・・・【山椒読書論(685)】
【読書クラブ 本好きですか? 2022年3月16日号】
山椒読書論(685)
自分好みの庭が持てる人は幸せである。『庭は私の秘密基地』(銀色夏生著、KADOKAWA)の著者は、この意味で幸福者である。
「この庭を、世界から切り離された私独自の空間にしたい。この庭の中には、時間も世間も他人もいない。ここにいる限り誰にも邪魔されない自由な自由な場所だ。この庭を作る過程で思ったこと、今、思っていることを、写真を見ながらたどります」。
雑草の花の素敵さ、バナナの木との長い戦い、朝の光が射し込む9月の庭、「これからはこの匂いのためだけに生きていこう」と興奮してカツラの木を一気に3本も植えたこと、窓は額縁だと窓からの景色を重要視していること――など、自分好みの庭を作っていく喜びと苦労が綴られています。
羨ましいなあ。