ワタルたちは、ドイツ軍のゲルヒン一行と、原住民のゾコンガ族の両方から追われる身となる・・・【山椒読書論(770)】
【読書クラブ 本好きですか? 2023年1月15日号】
山椒読書論(770)
昭和20~30年代のことだが、子供時代の私は、やれ熱っぽいだの、風邪気味だの、腹の調子が悪いだのと、掛かり付けの河見(こうみ)小児科医院をしょっちゅう訪れていた。そして、その狭い待合室の本棚に並んでいた山川惣治の『少年王者』と『少年ケニヤ』シリーズを読むのを楽しみにしていた。当時のワクワク感を再び味わいたくて、絵物語『少年ケニヤ』(山川惣治著、角川文庫、全20巻)を購入した。
『少年ケニヤ(10)』――ワタル、ケート、ワタルの父の3人は、ドイツ軍のゲルヒン一行と、ワタルに恨みを抱くまじない師・ヒカに操られた原住民のゾコンガ族の両方から追われる身となる。そんな状況の中、ゲルヒンはゾコンガ族に襲われ絶命する。
ワタルの冒険は、つ・づ・く。