個人も組織も「スパイク型」で「第4の波」を乗りこなせ・・・【山椒読書論(775)】
【読書クラブ 本好きですか? 2023年4月9日号】
山椒読書論(775)
『第4の波――大前流「21世紀型経済理論」』(大前研一著、小学館)の主張は明快である。今や、アルビン・トフラーが提唱した「第3の波」に続く「第4の波」が到来しているというのだ。
トフラーの、第1の波(農業革命→農業社会)、第2の波(産業革命→工業化社会)、第3の波(情報革命→IT社会<脱工業化社会>)に、大前研一が、第4の波(AI・スマホ革命→サイバー社会<スマホベース、AIベース、無から有を生む>)を追加したのである。大前は「第4の波」を「日本人が早急に知るべき世界の最新潮流」だと主張している。
「第4の波」時代の生き残りのカギは、自分の強みを尖らせる「スパイク型」だという。「『スパイク型』というと、かつて日本企業の間でV字回復のキーワードとなった『選択と集中』を連想する人もいるかもしれない。しかし、『選択と集中』は往々にして、いま儲かっている事業に注力することが多かった。それでは、短期間には業績が回復しても、中長期的には生き残れない。自社の事業領域を明確に定義し、一つの分野で尖った強みを持つスパイク型企業となる」ことを勧め、具体例を提示している。
そして、「『資格取得』『リスキリング』ブームに踊らされるな」、「今こそ子供に『スマホ構想力』を」とアドヴァイスしている。いまだにパソコンベースの私は、早急にスマホベースへの転換を図らねば!