榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

君は、最後に「いい人生だった」と思えるか・・・【山椒読書論(812)】

【読書クラブ 本好きですか? 2023年10月25日号】 山椒読書論(812)

「老後不安」を乗り越える シニアエコノミー』(大前研一著、小学館新書)で、強く心に響いた指摘が3つある。

●シニアが元気になる考え方の3つのポイント

①老後不安をなくす。

②資産からキャッシュを生み出す。

③人生の楽しみ方を教える。

●日本のシニアに実行してほしい4つの提言

①死ぬ時はゼロでいい。

②死ぬ瞬間に「ああ、いい人生だった」と思い残すことのない言葉を発せるような生き方をしよう!

③余るものがあったら、国の借金返済のために半分は寄付しよう!

④この素晴らしい国が永続するようにできることは何でも協力しよう!

●煩わしい人間関係や周囲の同調圧力などを気にせず、徹底的に自分の好きなことを追求できる「ソロ活(単独活動)」を楽しもう。

勉強になったことが3つある。

●出版不況の中で、「ハルメク」が女性誌トップの地位を占めているのは、シニアの女性にスマホやネットなどの活用法を初歩の初歩から徹底的に解説するという記事作りをしているからだ(因みに、「ハルメク」は我が女房の愛読誌である)。

●自立した生活ができる「アクティブシニア向け」住宅も充実してきている。

●「5人に1人が認知症」時代に備えて各社がいろいろなサービスを提供している。

正直言って、大前研一の考え方に全面的に賛成というわけではないが、自分のシニア生活を改めて考える手がかりを与えてくれた。