榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

6段階のプロセスで選択の精度を上げよう・・・【続々・独りよがりの読書論(1)】

【にぎわい 2021年12月23日号】 続々・独りよがりの読書論(1)

EPSホールディングス株式会社の株式非公開化・上場廃止は、社内外で驚きをもって迎えられている。業績不振によるものでないだけに、意外感が増幅しているのだろう。このEPSグループの将来構想に大きな影響を及ぼす選択は、創業者・厳会長の深遠な長期戦略に基づいてなされたものと推測している。

選択について考えようとするとき、『脳科学者が教える 最高の選択――あなたは、AIよりスゴイ決断断ができる!』(茂木健一郎著、徳間書店)が参考になるだろう。

選択とは何か。脳科学的に言うと、脳の中に蓄積されたたくさんの知識・情報に基づいて、その時々における最適な結論を導き出すことである。

選択するとき持つべきものは、「軸」、「インテリジェンス」、「質問」の3つである。インテリジェンスとは、不確実な状況下で手に入れた最も確実性の高い情報のことである。

プロセスに従って選択の精度を上げることが必要となる。①リサーチ、②絞り込み、③ボーッとする、④「プランB」をつくる、⑤即実行、⑥しつこく続ける――の6段階である。

自分の軸を基準にしてリサーチしていけば、有力な情報をモレなく、かつヌケなく入手することができる。絞り込みに当たっては、有力情報の内容の短所ではなく、長所を比較検討する。結論を下す前に、一度、頭の中を空っぽにするために、1分間ボーッとすることを、著者が勧めている。「プランB」とは次善の策を指している。