榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

庭と色の関係を考えるとき、参考になる本・・・【情熱的読書人間のないしょ話(134)】

【amazon 『庭の色』 カスタマーレビュー 2015年8月2日】 情熱的読書人間のないしょ話(134)

私にとって一番重要な4齣漫画は、何十年も前の元日に朝日新聞の朝刊に掲載されたサトウ・サンペイの「フジ三太郎」です。この日のテーマは「『修行』ことしはドコまで」で、1齣目は「悪口言われる→三太郎は言い返す」、2齣目は「悪口言われる→三太郎は忍耐する」、3齣目は「悪口言われる→三太郎はナントモ思わなくなる」、4齣目は「悪口言われる→三太郎は、悪口を言っている者の健康を祈ってあげる」と、三太郎の人間性の深まりが描かれているではありませんか。これは忍耐の足りない私への戒めと思い定め、ファイロファクスにコピーを貼り付け、毎日見直して今日に至っています。

フジ三太郎

閑話休題、『庭の色』(吉谷桂子著、主婦の友社)は、庭と色の関係を考えるとき、参考になる本です。「本書は、イギリスの庭に憧れ、学びながら、日本で庭作りをしてきた私の20年以上にわたる『庭の色』の記録でもあります」。

「植物のもつ美しい色彩を最大限に生かして庭を作りたい」が、著者の出発点になっています。

「私のいちばんのおすすめは、それぞれの季節や地域の光線に最も映える色を選ぶこと」。

「庭の草花が美しく見えるには、何が必要でしょうか。栽培環境や栽培方法、植物を愛情いっぱい、元気いっぱいに育てるのは第一条件ですが、そのうえで、個々の植物の色や形が、互いに引き立てあい、調和したら最高です」。