筑波山をいろいろな角度から楽しもう・・・【情熱的読書人間のないしょ話(136)】
我が家の矮性のアサガオにオオカマキリがやって来ました。花のすぐ下にいますが、葉の緑色に溶け込みそうです。庭担当の女房が農薬を一切使わないためか、チョウやセミ、バッタ類などさまざまな昆虫が姿を見せてくれます。
閑話休題、『筑波山目的別ガイド――お山があるから人生おもしろい!』(浜田裕美子編、結エディット)は、一風変わった面白い本です。
首都圏の人たちに馴染み深い筑波山をいろいろな角度から楽しもうと、アウトドア系、表現系、学び系のそれぞれの専門家たちが情報を提供しています。
「筑波山は安心して楽しめ、それでいて山を登った達成感が体験できる。低いが故のすばらしい山だと思います」。
「筑波山系の山として最近人気が出始めている宝篋山(ほうきょうさん)。標高461mと筑波山の半分ほどの高さだ。山頂からは筑波山はもちろん、晴れた日は都心のビルや富士山も見られる」。
「筑波山の麓には里を縫うすてきな道がありました」。「八郷(やさと。石岡市)に残る大小70棟ほどの茅葺き屋根は、懐かしい里の風景をつくる」。
「筑波山の歌はどれも活き活きとした古代の人々の暮らしぶりを伝えている。一首ごとに読み解いていくと、たしかに筑波山を見、麓に暮らしていなければ詠めない歌が多い。信仰として山を見、山に抱く畏敬の念があふれている。またあからさまなセックスの表現には、古代人のエネルギーがほとばしっている」。「筑波嶺の嶺(ね)ろに霞居過ぎかてに息づく君を率寝(いね)てやらさね(筑波山に霧がかかってなかなか過ぎ去ろうとしない。その霞のように、あんたのことを思いこがれているあの男と寝てやりなよ)」。
筑波山の麓の真壁(まかべ。桜川市)は亡き父の出身地です。夏休みや冬休みに訪れ、朝晩、筑波山を間近に眺めたり、祖父たちと何度か筑波山に登ったことを懐かしく思い出しました。