榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

戦争を美化する嘘を見破ろう・・・【情熱的読書人間のないしょ話(363)】

【amazon 『夏のおわり』 カスタマーレビュー 2016年4月25日】 情熱的読書人間のないしょ話(363)

我が家の庭の片隅で紫色のクレマチスが咲き始めました。ハナミズキの総苞が赤色から桃色に変わってきています。漸く我が家でも白色のクルメツツジが咲き始めました。散策中に、高原を偲ばせるレンゲツツジが橙色の花を付けているのを見つけました。白地に薄紫色の紋がほんの少し交じっているモチツツジ、白地に薄紫色の線がうっすらと走っているヒドラツツジも咲いています。白花のフジのシロカピタンの香りに虫たちが引き寄せられています。薄紫色のフジと白色のクルメツツジが仲良く絡み合っています。因みに、本日の歩数は11,583でした。

P1080098

P1080109

P1080096

P1080085

P1080104

P1080102

P1080105

P1080070

閑話休題、『夏のおわり』(長谷川集平著、復刊ドッドコム)は、絵は素朴ですが、内容はずしりと重い絵本です。

「おとうちゃん、さとるが 戦争の話 聞きたい言うから つれてきたわ」、「あいあい、りょうかい」。「ブーン それで おっちゃんはやね、B29の下にもぐりこんだんや。なんせ、こっちは ゼロ戦や、動きが 速いからね。ここぞとばかりに ダダダダダッ ダダッ ダッ」。「B29は ものすごいけむりあげて、落ちていきよったわ。ゴーッ その日は 二機 げきついしたんや」。「そら、こわいで。きんたま ちぢみあがるで。そやけど、おっちゃんも あのころは 若かった。こわいもん知らずやったわ」。

「さとる きょう、ちょっとおかしいで。ひょっとして、つよしの おとうちゃんに 戦争の話 聞かされたんちがうか。あのおっさん いっつも あれやからな。あそこは 親子そろて 戦争きちがいやなあ、ほんま。あんなやつ ほっとけ ほっとけ。へへへ」。

米軍のB29を次々と撃墜する能力はゼロ戦にはなかったことに、さとる少年も気づいているのでしょう。この絵本は、子供たちに戦争を美化する嘘を見破る必要性を伝えようとしているのです。