榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

日本のカエル類の生態写真と高レヴェル・簡潔な説明が素晴らしい・・・【情熱的読書人間のないしょ話(387)】

【amazon 『日本のカエル』 カスタマーレビュー 2016年5月18日】 情熱的読書人間のないしょ話(387)

雨上がりの朝、ポストの朝刊を取ろうとした時、アジサイの葉の上の小さなカタツムリを見つけました。私が子供の頃は、アジサイに大きなカタツムリがたくさんいたものですが、近年はほとんど見かけなくなってしまいました。アジサイとガクアジサイが着々と咲く準備を進めています。庭の片隅でサツキが咲き始めました。アメリカノウゼンカズラとドクダミは、いくら抜いても生えてくる、どんどん増えると、庭担当の女房には評判が悪いのですが、実は、私はドクダミの独特の香りと可憐な白い小さな花(正しくは総苞)が嫌いではありません。人間だって、無味無臭な奴なんて面白くないではありませんか。散策コースで、ハナビシソウの濃黄色の花が風に揺れていました。白と赤のコントラストが鮮やかなペチニュアの花が咲いています。因みに、本日の歩数は10,938でした。

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閑話休題、『日本のカエル――分類と生活史 全種の生態、卵、オタマジャクシ』(松井正文著、関慎太郎写真、誠文堂新光社)は、日本に棲息するカエルの全ての種が網羅されています。

他の生物同様、カエル類の分類も近年、大幅に変わりつつあるようです。「DNAを用いた分子系統学的研究が大盛況だからである。その結果、予想もされなかった類縁関係や、隠蔽種の存在が明らかになりつつある。一方、分子の証拠で変更された分類学的関係を説明するような形態学敵証拠は簡単には見つからない」。

ニホンアマガエルは緑色と思い込んでいたため、先日、白いニホンアマガエルを目にしたときはびっくりしたのですが、本書では、体色変異の実例が10通りも掲載されています。それも、白だけでなく、青、明るい褐色、暗い褐色など多様です。

以前は私の散策コースでニホンアカガエルをよく見かけたものですが、最近は数がめっきり減ってきています。

私が子供の頃、東京・杉並の水田などにたくさんいたカエルはトノサマガエルだとばかり思っていたのですが、それはトウキョウダルマガエルだったのではないかという人がいて、どちらだったのか分からなくなってしまいました。当時、ちゃんと写真を撮っておけばよかったと悔やんでいます。

緑地に茶色の紋が全身に散らばる毒々しい色合いのオキナワイシカワガエルを見詰めていたら、体がむず痒くなってしまいました(笑)。

カジカガエルのピヨピヨピヨピヨという澄んだ鳴き声を初めて耳にしたときは、鳥か虫の鳴き声だろうと勘違いしてしまったことを、懐かしく思い出しました。

豊富な生態写真と、高いレヴェルを保ちながら、簡にして要を得た説明文――日本のカエル類についての最高の書と言えるでしょう。