さまざまな原因で失われてしまった名画が鑑賞できるユニークな図説・・・【情熱的読書人間のないしょ話(388)】
【amazon 『「失われた名画」の展覧会』 カスタマーレビュー 2016年5月20日】
情熱的読書人間のないしょ話(388)
散策中に、眼鏡に何かが止まったと思ったら、ナミテントウの幼虫でした。この季節は新緑が美しいですね。小さな滝が涼やかな音を立てています。キンカンがたくさん実を付けています。夜は、読書部関係者たちと大いに盛り上がりました。因みに、本日の歩数は13,372でした。
閑話休題、『「失われた名画」の展覧会』(池上英洋著、大和書房)は、地震などの天災、火災、戦争、盗難、修復などによって失われてしまった絵画を甦えらせるというユニークな試みに挑戦しています。
例えば、クロード・モネの「アルジャントゥイユのモネの庭で制作するマネ」は、このように説明されています。「印象派の指導者モネと、彼らから尊敬されていたマネの関係を知ることのできる貴重な作品。マネは伝統的なアカデミーの新古典主義的礼賛の風潮に反旗をひるがえしたが、風景画制作に関しては、戸外でしたスケッチを持ち帰り、屋内のアトリエで彩色する手法を守っていた。しかしこの頃、モネに刺激されて戸外で制作を始めたことが本作品でもよくわかり、事実、マネの色彩はモネばりに明るいものとなっていく。・・・(所有者の)未亡人マルタによって売却され、以後行方がわかっていない」。
ヨハネス・ヘェルメールの「合奏」については、「1990年3月18日夜に盗まれた13点の美術品のうちの1点。フェルメール作品は知名度があり高価なわりに小さく運びやすいので、よく盗難の対象となる。それらはほとんど取り戻されているが、『合奏』はいまだ行方がわからない」とコメントされています。
絵画に興味がある人にとっては、想像力を掻き立てられる一冊です。