榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

司馬遼太郎の含蓄ある言葉の数々・・・【情熱的読書人間のないしょ話(404)】

【amazon 『司馬遼太郎の言葉(2)』 カスタマーレビュー 2016年6月1日】 情熱的読書人間のないしょ話(404)

散策中に、かわいらしい3匹の子ブタに出会いました。スカシユリが華やかな黄色い花を咲かせています。あちこちでアマリリスが咲いています。白、白地に赤い線、赤地に白い線など、アマリリスはヴァラエティに富んでいます。

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閑話休題、司馬遼太郎の著作はいずれも面白く読めますが、彼が発する片言隻語も含蓄があります。『司馬遼太郎の言葉(2)――没後20年』(朝日新聞出版・週刊朝日MOOK)は、司馬の数々の言葉と、それらを巡る考察で構成されています。

「日本語をみがく教範として武士階級は謡曲をならい、町人階級は浄瑠璃をならいつづけた」。この指摘には、思わず唸ってしまいました。武士階級と町人階級の特質がくっきりと浮かび上がってくるではありませんか。

「『太平記』は、闇の中から出てきたような(楠木)正成の登場とその華麗な活躍と知的な風韻によってはじめて生彩を得るのである」。長篇の『太平記』をこの短い一言で要約してしまうとは、さすが、司馬ですね。

「日本庭園は世界一だというよりも、世界でもきわめてユニークな存在だと考えるほうが、公平かと思える」。この冷静さも司馬の持ち味の一つです。

司馬ファンには、堪らない一冊です。