榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

ちまちました人間世界の煩わしさを忘れさせてくれる巨樹の写真集・・・【情熱的読書人間のないしょ話(438)】

【amazon 『千年の命 巨樹・巨木を巡る』 カスタマーレビュー 2016年7月1日】 情熱的読書人間のないしょ話(438)

散策中に、動きの速いニホンカナヘビをカメラに収めることができました。ムクドリが群れています。フジの果実がたくさん垂れ下がっています。ビロードのような手触りです。アベリアが小さな釣り鐘状の白い花を多数付けています。白色の花を咲かせたアガパンサスを見つけました。その隣に生えている薄紫色のアガパンサスの莟は面白い形をしています。因みに、本日の歩数は14,237でした。

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閑話休題、『千年の命 巨樹・巨木を巡る』(高橋弘著、新日本出版社)は、著者が28年に亘り撮影してきた全国の巨樹の写真集です。

収録されている85の巨木たちはいずれも素晴らしいものばかりですが、とりわけ印象的なのは、「杉沢の大杉(福島県二本松市杉沢字平、幹周13.27m、樹高38m、樹齢1000年)」です。「全国に数多いスギの中でも、その端正な樹形と旺盛な樹勢は他に類を見ない存在だ。完全な独立木であり、根元から先端部までさえぎる物なしに見られるスギであり、優美なスギとしては日本一といってしまっても良いかもしれない」。凛々しく屹立した姿に見惚れてしまいました。

「高森殿(どん)の杉(熊本県阿蘇郡高森町高森、幹周10.46m、樹高38m、樹齢・伝承400年)」は、数多くの横枝が張り出し、まるで四方八方に手を伸ばしているかのような特徴ある姿をしています。

「蒲生の大クス(鹿児島県姶良市蒲生町上久徳・八幡神社境内、幹周24.22m、樹木30m、樹齢・伝承1500年)」は、重量感豊かで威風堂々としています。「全樹種含めて日本最大の幹の太さを持つ巨樹として知られているクスノキ。幹周は24mを越え、根回りにいたっては33m以上の大きさを誇っており、これは畳50畳ほどの大きさと同じだと聞けば、その巨大さを想像できるであろうか」。

「加茂の大クス(徳島県三好郡東みよし町、幹周14.43m、樹高22.5m、樹齢1000年)」の、典型的な半球状の樹冠を維持している均整のとれた姿は魅力的です。

「塚崎のクス(鹿児島県肝属郡肝付町野崎、幹周13.58m、樹高20m、樹齢1300年)」は、大きな空洞がぽっかりと口を開けており、年寄りが大声で叫んでいるかのような錯覚に襲われます。

「吉高の桜(ヤマザクラ、千葉県印西市吉高)」、「西善寺のコミネカエデ(樹木医の鑑定ではイロハモミジ、埼玉県秩父郡横瀬町横瀬)」、「森の神(ブナ、青森県十和田市奥瀬)」も見逃せません。

巨樹・巨木の圧倒的な存在感で、ちまちました人間世界の煩わしさを忘れさせてくれる一冊です。