榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

庭で見られる野鳥58種が原寸大で迫ってくる図鑑・・・【情熱的読書人間のないしょ話(584)】

【amazon 『庭で楽しむ野鳥の本』 カスタマーレビュー 2016年11月8日】 情熱的読書人間のないしょ話(584)

散策中に、林縁で、美しいルリタテハとヒメアカタテハを見つけたのですが、残念ながら、ヒメアカタテハしかカメラに収められませんでした。コアオハナムグリもいます。ニホンカナヘビの幼体が現れました。昨日と今日、庭木の剪定の真似事をしたのですが、たった2本しか終わらないのに、体の節々が痛くなるという体たらくです。因みに、本日の歩数は10,973でした。

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閑話休題、『庭で楽しむ野鳥の本――原寸大』(大橋弘一・Naturally著、山と溪谷社)で、我が家にやって来る野鳥を調べたところ、スズメ、メジロ、シジュウカラ、ジョウビタキ、カワラヒワ、ハクセキレイ、ツバメ、ヒヨドリ、コゲラ、キジバト、ハシブトガラスの11種でした。

本書の最大の魅力は、何と言っても、庭で見られる野鳥58種のほとんどが原寸大で登場していることです。我が家で見られる鳥はもちろん、見られない鳥も、その鳥そのままの大きさですから、類書とは異なり、臨場感を存分に味わうことができます。

私の一番好きなオナガは、2ページに跨る写真とともに、こう説明されています。「空色の長い尾と翼、ベレー帽をかぶったように見える黒い頭。オナガは、カラス科の中では異端ともいいたくなるような品位ある美しい姿をしています。もっとも、鳴き声はゲーイゲイゲイというやかましいものではありますが」。子供の頃、東京・荻窪の知人邸の広い庭の奥のほうで群がっている10羽ほどのオナガを初めて目にした時の驚きと感激は、今も鮮明に覚えています。その家の夫人に「あの大きくて綺麗なインコのような鳥は何という鳥ですか?」と尋ねたところ、「あれはオナガという鳥よ。毎日、あのように庭に生る実を食べに来るのよ」という答えが返ってきました。

「オナガは、かつては武蔵野の特産といわれるほど東京西郊に多く分布し、その後、長野県などに生息域を広げたとされていました。正確には、福井県と静岡県を結ぶ線から東の本州各地に生息しているというのが現在の状況です。そのエリア内で関東平野と長野県では普通に見られるものの、その他の地域では局地的にしか観察されません。西日本では本当になじみのない鳥といえましょう。オナガは、実は世界的に見ても独特な分布を示します。日本を含む東アジアのほかに、遠く離れたイベリア半島のポルトガル、スペインにも生息しているのです。1万km近くも離れたユーラシア大陸の東西の端で暮らしていることになります」。本当に謎多き鳥ですね。

キジバトにも懐かしい思い出があります。子供時代に、近くの林で傷ついたキジバトを昆虫網で捕まえ、リンゴ箱で作った鳥小屋で数カ月飼ったことがあるのです。飛べないので、時々、鳥小屋から出して遊ばせていたのですが、傷が癒えていたのでしょう、ある日、突然、空高く飛び去ってしまいました。

1950年代は、荻窪辺りでキジバトを見かけることは滅多にありませんでした。「俗に山鳩とも呼ばれるキジバトは、もともとは山林に棲む鳥で大変に警戒心が強く容易に人を近づけなかったそうです。街路樹や庭先で繁殖することも珍しくない現在では想像もできない話ですが、都市に棲むようになった歴史は意外と浅く、市街地に進出して来たのは1960年代のことでした。1970年代には大都市の中心部でも繁殖するようになり、以来、今日のように都市鳥となりました」。今では、千葉・柏の我が家のキンモクセイにも巣を作りますから、著者の言うとおりですね。