道具を作り、道具を使うカラスの頭のよさは、恐ろしいほどだ・・・【情熱的読書人間のないしょ話(803)】
散策中に、ソケイノウゼン(パンドレア)の清楚な淡桃色の花に目を惹かれました。サルスベリの濃桃色の花が咲き始めています。私たちは千葉県民ですが、都議選における小池百合子側の圧勝祝いと、女房の2日遅れの誕生日祝いを兼ねて、女房気に入りの店で昼食を取りました。因みに、本日の歩数は10,019でした。
閑話休題、『目立ちたがり屋の鳥たち――面白い鳥の行動生態』(江口和洋著、東海大学出版部)では、さまざまな鳥たちの興味深い行動生態が紹介されているが、一番驚かされたのは、カレドニアカラスの道具制作と道具使用です。
「道具使用と製造のチャンピオンは、カレドニアカラスである。カレドニアカラスはニューカレドニア本島の広い範囲に棲息しているが、特に、潜孔性甲虫の幼虫が潜む朽ち木が多い降雨林で密度が高い。このような環境では、カラスはこの幼虫を引き出す道具を作って採餌する行動を発達させている。本種が作る道具には、鈎のない小枝、鈎つきの小枝、それに、とげのあるタコノキの葉を切り出して作った銛型の道具という複雑さの異なる3種類がある」。
「カレドニアカラスの場合、道具使用も注目を浴びるが、複雑な構造の道具を製造する能力の高さが鳥類のなかで群を抜いており、その知的能力の程度は人間の幼児にも匹敵する」。「カラスやインコの仲間は、他の鳥類に比べて、体の大きさに対する脳の大きさが大きい」。
さらに、信じられないような実験結果が記されています。
水を入れたパイプ状のガラス容器と、砂を入れたパイプ状のガラス容器を用意し、それぞれの表面に餌を置きます。そして、ガラス容器の近くに小石を積み上げておきます。すると、「小石をガラス容器のなかに落としこんで水位を上げて、水に浮かぶ餌(ミールワーム)を獲得した。砂のパイプに小石を入れても役には立たないが、カラスは迷わずに水の入ったパイプのほうに小石を入れた」というのです。
恐るべきカラスの知的能力、認知行動です。