榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

平地が少なく、海が遠浅といった弱点を克服した武士の都、鎌倉・・・【情熱的読書人間のないしょ話(845)】

【amazon 『ブラタモリ(1)』 カスタマーレビュー 2017年8月13日】 情熱的読書人間のないしょ話(845)

昨晩、我が家にちっちゃな子ニホンヤモリがやって来ました。朝早くからアブラゼミが賑やかに鳴いています。散策中、見かけたザクロの実、よく見ると、愛嬌がある形をしています。アサガオも頑張っています。因みに、本日の歩数は10,838でした。

閑話休題、私たち夫婦は鎌倉が好きで、折に触れて訪れ、春夏秋冬それぞれの鎌倉を堪能しています。『ブラタモリ(1)――長崎 金沢 鎌倉』(NHK「ブラタモリ」制作班監修、KADOKAWA)の「鎌倉800年の『まちづくり』とは?」は、勉強になりました。

「鎌倉時代の鎌倉の範囲は狭く、現在の市域の地図と重ねてみると、その面積は3分の1ほど。当時は『鎌倉中(ちゅう)』という呼び方をしたこの狭いエリアに、なんと最大10万もの人々が住んでいたといわれています。現在、この範囲の人口は5万人くらい。つまり、ほぼ倍の人口密度です。となれば当然、まちづくりにも工夫が必要でした」。

「『ヤツ(谷)』を利用した山側のまちづくり――三方から山が迫り平地が少ないという地形的弱点を克服。山際の谷を巧みに利用し、岩盤を削って山を切り拓くことで、武士たちは、まちを拡げていったのです」。「鎌倉石(=削り易く掘り易い凝灰質砂岩)の特性を活かして人力で山を削り、使える土地を増やしていった。そんな武士たちの工夫の跡が、鎌倉の山側には、いまも残っているのです」。

「海側のまちづくり――この遠浅の海、鎌倉時代の鎌倉にとっては大いなる弱点でもありました。なぜなら船で物資が入ってくる際、着岸できる天然の良港がないのです。荷揚げがしにくく、海が荒れると船が流されるなどの被害も多かった。遠浅のデメリットを克服すべく、鎌倉時代の人々が考え出した方法は、人為的に港を造ることでした」。

「平地の少なさや遠浅の海など、さまざまな弱点を抱えていた鎌倉。でも800年前の人たちは、その地形をうまく活用して『武士の都』をつくり上げたんですね」と、タモリが呟いています。

大好きな鎌倉を訪れるたびに心配になることがあります。海抜10m未満の地域が広がっているので、万一、大地震で大津波に襲われたら、どうなるのだろうということです。鎌倉武士たちに負けない抜本的な工夫が必要なのではないでしょうか。