これまで見たことのない奇妙なチョウ、ガの写真集・・・【情熱的読書人間のないしょ話(1082)】
我が家の庭の片隅で、紫と白のコントラストが美しいオダマキが咲いています。黄色いフリージアが咲き始め、芳香を放っています。因みに、本日の歩数は10,157でした。
閑話休題、『けったいな生きもの きもかわチョウとガ』(ロナルド・オレンスタイン著、トーマス・マレント写真、北村雄一訳、化学同人)では、これまで見たことのない奇妙なチョウ、ガが紹介されています。
「チョウがガの一種であることは知っていましたか? 20万種におよぶガのうち、チョウとよばれるのはわずか1万7500種にすぎません。チョウは花を訪れてみつを吸います。花が出現して以来、チョウは何千万年もそうしてきました。しかし、ガの歴史はもっと長く、おそらく2億3000万年ほど前からいます」。
アカエリトリバネアゲハ。「おいらたちは、熱帯アジアからオーストラリアにすむ大きなチョウの一族で、はねを広げると28センチになるなかまもいるよ」。
イシガケチョウのなかま。「はねが地図みたいでしょ。英語では『マップウイング』っていうんだ」。
トリバネガのなかま。「わたしのはね、鳥のはねのように見えませんか。わたしのなかまの多くは、何かにとまるとき、はねを棒みたいに丸めます。それをぴんと横にのばすので、まるで小さな飛行機みたいですよ」。
フクロウチョウのなかま。「わしは南アメリカの大きなチョウで、はねを広げると18センチもある。そのはねにはフクロウのような目玉もようがある。目玉もように白い点々があって、本物の目みたいじゃろ。この白い点々が紫外線を反射する。君らは紫外線を見られないが、鳥には見えるからギラギラと感じるんじゃ。鳥たちは目玉もようのついたチョウをこわがるが、白い点々があるとさらにこわがるんじゃ」。
アケボノスカシジャノメ。「わたしは熱帯アメリカにすんでいるチョウで、はねを広げると4,5センチくらい。ふつう、チョウやガのはねには、『鱗粉』っていうウロコみたいなものがついてるけど、わたしのはねには鱗粉がほとんどないよ。だから、はねが透明なんだ。目玉もようは鱗粉でできてるけどね。でも、はねの黒い帯は、鱗粉じゃなくて、はね自体に色がついてるんだよ」。
マダガスカルオナガヤママユ。「おれはマダガスカル島にいるぜ。はねを広げた大きさは15センチで、しっぽの長さも15センチあるぜ」。
ウラモジタテハのなかま。「ペルーで水を吸っているぼくたち。はねを広げた大きさは4センチくらい。ぼくのはねには、数字の88みたいなもようがあるでしょ。英語では『88バタフライ』っていわれてる」。
トラフトンボマダラのサナギ。「みごとな金色でしょう」。
オオカバマダラのサナギ。「あたたかい南で冬をこしたお母さんがうんだ卵は4日でイモムシになるよ。イモムシは2週間後にサナギになり、サナギは10~14日後にあたしのように大人のチョウになるんだ。あたしたちは北へわたり、あたしの子どもも、その子どもも、その子どもも北へわたり、4代目で最北にたどり着くのさ。この4代目が、冬の前に南へ一気にわたり、冬をこしたあと卵をうむ。これをくり返すんだ」。
子どもも大人も楽しめる一冊です。