一流の野生動物写真家たちの決定的な作品が勢揃いの写真集・・・【情熱的読書人間のないしょ話(1103)】
エビネが白い花を、キエビネが黄色い花を咲かせています。群生したシランが紫色の花を付けています。キンギョソウが深紅色の花をまとっています。アケボノという品種のヒラドツツジが満開を迎え、薄桃色の絨毯のようです。因みに、本日の歩数は10,593でした。
閑話休題、『写真家だけが知っている動物たちの物語』(ロザムンド・キッドマン・コックス著、片山美佳子訳、日経ナショナル ジオグラフィック社)に収録されている野生動物の写真には、思わず目を凝らしてしまいました。
それも当然と言えば当然です。これらは全て、写真コンテスト「ワイルドライフ・フォトグラファー・オブ・ザ・イヤー」のこれまでの受賞作だからです。「一枚一枚に、写真家が遭遇した一瞬の出来事や、動物たちのユニークな生態の一幕が収められているのだ。・・・見る人の心を打つ写真を撮るためには、経験を積み、撮影技術はもちろん野外生活のノウハウを身に付け、然るべき場所に然るべき時に赴き、動物の行動を予測し、構図を見極めることが必要なのだ。本物の野生動物の写真家は、動物たちが次にどう行動するのか、するどい勘が働く。それゆえ滅多にない最高の瞬間に、すかさずシャッターを切ることができるのだ」。
●親から毛繕いされて、気持ちよさそうに片目をつぶるアナホリフクロウの雛の愛らしさ(ブラジル、パンタナル)。
●アカギツネが捕らえたホッキョクギツネの体の大部分を食べ終わり、後で食べるために残りを隠そうと引きずるシーンの生々しさ(カナダ、ワプスク国立公園)。
●雄ライオンが幼いシマウマの子供を抱いている不思議な写真。一見微笑ましい光景のようだが、数分と経たないうちに、シマウマの子は殺されてしまったという自然の厳しさ(ボツワナ、チョベ国立公園)。
●卵を盗もうと近づいてきたホッキョクギツネから巣を守るため、ホッキョクギツネを攻撃する雄のハクガンと、歯を剥ぎ出して立ち向かうホッキョクギツネの迫力ある決闘シーン(ロシア、ウランゲリ島)。
●甘い蜜でパンパンに膨らんだ腹部を抱えたミツツボアリの働きアリたちが並んで巣の天井からぶら下がっているユニークな光景。姉妹たちが蜜をもらいに来るのを、何カ月も待ち続けるというのです(オーストラリア)。
●樹上の2匹の若いマラバーラングールの尻尾を掴んでぶらんこ遊びを楽しむ赤ん坊。大口を開けて喜んでいる赤ん坊は人間の子供そっくりです(インド南部)。
●ヒョウアザラシが泡を吹き出しながら、撮影者に近づいてきて、自分が捕まえたペンギンを差し出す不思議なシーン。撮影者に友好の気持ちを示したかったのでしょうか(南極近くのアンバース島沖)。
●夕暮れ時、森をぎっしりと埋め尽くす数千羽のアトリは圧巻です(オーストリア南部)。
●水の中から氷上目がけて大ジャンプするコウテイペンギンの躍動感(南極のロス海西部)。
私はどこへ行くときもデジカメを手放さない素人写真家ですが、いつの日か、こういう写真が撮れたらと夢見ています。