仮想通貨は、全面的に信頼していいのか・・・【情熱的読書人間のないしょ話(1399)】
あちこちで、さまざまな色合いのツバキが咲き競っています。因みに、本日の歩数は10,211でした。
閑話休題、仮想通貨推進派はどういう考えを持っているのか知りたくて、『これから仮想通貨の大躍進が始まる!』(北尾吉孝著、SBクリエイティブ)を手にしました。
「これから金融の世界では、仮想通貨とその基盤技術であるブロックチェーンによる『革命的』な変化が起きます。それに伴い、私たちの日常生活も劇的に変わるでしょう」。
「大事なことは、仮想通貨を支えるブロックチェーンは、さまざまな分野で応用され、個人と個人、あるいは個人と企業が直截『価値の交換』ができる社会を実現すると予想できることです。そのときは、おそらく銀行や証券会社といった金融機関だけでなく、現在インターネット上でプラットフォームを提供している会社など、価値の交換を仲介している旧態依然とした会社はなくなっているかもしれません。仮想通貨による革命は、それほどのインパクトを持っているのです。現在、金融の世界で起きている変化は、そうした将来の大変化への第一歩です」。
「基軸通貨としてのドルの信認が失われ始めると、グローバル経済に大きな混乱が発生する可能性が出てきます。そうした将来を見渡せば、世界通貨の必要性が理解できるでしょう」。
「現在のドルを基軸通貨とする通貨システムが脆弱化しつつあるいま、仮想通貨のコンセプトを、世界中に定着させていくことが非常に重要であると私は考えているのです」。
「ビットコインのような仮想通貨が世界通貨として流通することになれば、グローバル経済に計り知れないメリットを与えることができる――。そうした可能性を考慮するなら、ビットコインの価格に対する見方も自ずと変わってくるはずです」。
「客観的に見れば、ビットコインやアルトコインが決済通貨、ひいては世界通貨として定着するかどうかは未知数である、と言わざるを得ないでしょう」。
「たしかに、中(央)銀(行)デジタル通貨が実用化に向かっていくのは事実でしょうが、同時並行的に、仮想通貨の流通量も増えていくと私は予想しています」。
「もしかすると、仮想通貨とブロックチェーンが起こす技術革新の波は、インターネットよりも大きいものになる可能性を秘めています」。
「フィンテックとは幅広い概念で、ブロックチェーンだけでなく、ビッグデータやAI(人工知能)、ロボアドバイザー、IoT(モノのインターネット化)といった、それぞれが大きな可能性を秘めたテクノロジーも活用されています。それがブロックチェーンと結合して、革命的なサービスを生み出し得るのです。そうした革命の一つの終着点は、仮想通貨が世界通貨として世界中を流通することだと考えています。私にとってビットコインの最大の功績は、どの国にも管理されない通貨が、基軸通貨、すなわち『世界通貨』として存在し得る可能性を感じさせてくれたことです」。
正直なところ、仮想通貨が大きな可能性を秘めていることは認めるにしても、全面的に信頼できる段階には至っていないというのが、私の見解です。