どう水を庭に取り込み、美しい風景を作るか――京都庭園案内・・・【情熱的読書人間のないしょ話(1512)】
【amazon 『しかけにときめく「京都名庭園」』 カスタマーレビュー 2019年6月9日】
情熱的読書人間のないしょ話(1512)
エクメア・ラシネー、デンドロビウム・フォーミディブル、アデュラという品種のアジサイ、ブラッシア、アスチルベ、アンジェラという品種のバラ、カルミア(アメリカシャクナゲ)をカメラに収めました。我が家のガクアジサイの装飾花(萼)が青みを増してきました。因みに、本日の歩数は10,484でした。
閑話休題、『しかけにときめく「京都名庭園」――京都の庭園デザイナーが案内』(烏賀陽百合著、誠文堂新光社)は、庭園デザイナーによる京都庭園案内書です。
「京都の景色は水で作られている。山から湧き出る水が川や池のある景色を作り、山から降りてくる霧や湿度が美しい苔を育む。京都は山に囲まれた盆地で、山からの豊かな水によってその風景が作られてきた。・・・京都の庭園は、『どうやって水を庭に取り込み、美しい風景を作るか』ということをよく考えて作られている。東山や西山の山裾には水を取り入れた庭園が多い。修学院離宮や青蓮院、天龍寺など、水の景が庭園の一番の見どころになっている」。
「反対に、枯山水庭園は『水なくして水をどう表現するか』というテーマを追求した究極の庭だ。枯山水には『水』を表現するさまざまな工夫がなされている。石で滝を表し、白砂で海、砂紋で波を表してきた。一見すると石や砂だけの庭が、見るものの想像力で水の景色が現れるようになっている。想像力が必要な庭園は、世界中でも日本庭園だけだ。日本人の水への憧憬が、枯山水という独特の表現方法を生んだ」。
とりわけ、「池が織り成す青の世界の魅惑――青蓮院」、「翳が際立たせる庭園の美――桂春院」、「橋本関雪が造りあげた『理想郷』――白沙村荘」の庭が、印象に強く残りました。