テーマ別の推薦書籍、人気の本屋、作家の書斎などをイラストと文章で紹介・・・【情熱的読書人間のないしょ話(1540)】
アジが泳ぎ回っています。我が家にイエユウレイグモが現れました。テイオウニシキ(帝王錦。アロエ・フミリス)が赤い花を咲かせています。ハイビスカスも頑張っています。
閑話休題、『世界の本好きたちが教えてくれた 人生を変えた本と本屋さん』(ジェーン・マウント著、清水玲奈訳、エクスナレッジ)は、本好きには堪らない一冊です。
●人生の教科書、勇敢なヒロインの物語、英文学の古典的名作、語りつがれる大河ロマン、究極の恋愛小説、読書会の定番、謎が謎をよぶミステリー、ディストピアが見せる未来、奥深い短編小説の世界、エッセイの逸品、驚異に満ちた自然界を知る、終わりなき科学の挑戦、あこがれの土地への逃避行、人生とは旅である、英雄の伝記に人生を学ぶ、胸に迫る回想録、人類の歩んだ歴史、戦争の不条理を考える、死を見つめる、生きることの意味を求めて、クリエイティブに生きる、大人も魅了される絵本といったテーマ別の推薦書籍、●人気の本屋さん、●本のプロが勧める名著、●あこがれの図書館、●作家の書斎――などが、イラストレーター・デザイナーの著者のイラストと文章で紹介されているからです。
例えば、「生きることの意味を求めて」というテーマでは、ヴィクトール・フランクルの『夜と霧』。ブレネー・ブラウンの『立て直す力』、スーザン・オマリーの『80歳の自分からのアドバイス』などが推薦されています。「ブレネー・ブラウンは、困難な状況や失敗を体験した人たちが幸福と成功をつかむことについて、長年研究を重ねてきました。『立て直す力』の中で、『私たちは自分の人生の著者』と述べ、『自分で大胆な結末を書く』ことを提案しています」。
「人気の本屋さん」では、コロンビア・ボゴタのサン・リブラリオが、こう紹介されています。「小さな本屋さんで、店のオーナー、アルバロ・カスティージョが厳選した本を1冊ずつ置いています。数人お客さんが入ればひじがぶつかりあうほど狭い店ですが、他では手に入らないような珍しい翻訳書や、貴重な初版本が見つかります」。
「本のプロが勧める名著」では、エレノア・ルーズベルトの『学ぶのは生きることから――もっと充実した人生を生きるための11の鍵』が挙げられています。「エレノア・ルーズベルトなんて、『歴史の教科書に登場する退屈な女の人』だと思っていました。知っておいた方がいいかなという軽い気持ちで自叙伝を読んでみてびっくり仰天。賢くて、おもしろくて、勇敢で、何時間でもおしゃべりしてみたい、そんな女性だったのです。人生のアドバイスを与える手引書でもあるこの本を彼女が書いたのは、76歳のとき。その洞察力は今も的確で、誰が読んでも興味あるテーマを見つけることができると思います」。
「作家の書斎」では、ジェーン・オースティンの書斎が取り上げられています。「オースティンは晩年の8年間、母親と妹とともに、南イングランド、ハンプシャー州の海辺の村のコテージに暮らしました。そのコテージは現在ではジェーン・オースティン博物館となっていて、チョートン・コテージという別名でも知られています。・・・博物館の展示品の目玉は、机と呼ぶのもはばかられるほど小さな書き物机。クルミの木でできた12角形のテーブルは、紙と羽根ペンとインク壺がやっと載せられるサイズです」。