榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

レオナルド・ダ・ヴィンチの作品を巡って各地を旅した気分になりました・・・【情熱的読書人間のないしょ話(1559)】

【amazon 『レオナルド・ダ・ヴィンチを旅する』 カスタマーレビュー 2019年7月25日】 情熱的読書人間のないしょ話(1559)

モミジアオイが赤い花を咲かせています。女房の手と比べると、アメリカフヨウとモミジアオイの交配品種のタイタンビカスの赤い花の大きさが分かります。モクゲンジ(センダンバノボダイジュ)の実が鈴生りです。この種から数珠が作られます。タイサンボクが実を付けています。カツラの葉は、仄かに醤油のような香りがします。カブトムシの季節ですね。因みに、本日の歩数は10,893でした。

閑話休題、『レオナルド・ダ・ヴィンチを旅する――没後500年』(池上英洋監修、平凡社・別冊太陽)は、レオナルド・ダ・ヴィンチの生涯と、その作品を深く知るのに最適な一冊です。

かつて、フランス・パリのルーヴル美術館で見た「ラ・ジョコンダ(モナ・リザ)」、イタリア・フィレンツェのウフィツィ美術館で見た「受胎告知」、ヴァチカンのヴァチカン美術館で見た「聖ヒエロニムス」などを懐かしく思い出しました。イタリア・ミラノのサンタ・マリア・デッレ・グラーツィエ修道院を訪れたのに、「最後の晩餐」は修理中で見ることができませんでした。

「『受胎告知』で事実上のデビューを果たしたともいえる」。

「実はこの絵(『聖ヒエロニムス』)、レオナルドのものだという確たる文献はない。しかし斜め下から見上げたヒエロニムスの苦悩の表情といい、右肩の鎖骨と筋肉のつながりといい、解剖学的な正確さはこの絵がまさにレオナルドの筆によるものであることを示している。聖者の突然の奇行に驚いたのか、振り向いて吠えるライオンも迫力ある描写だ。当時、メディチ家ではプライベートな動物園で珍しい動物を飼育していたようで、レオナルドはそこで本物のライオンを見た可能性もある。鋭い観察眼が緊張感ある画面を生み出している」。

正直に言うと、天の邪鬼の私は、「モナ・リザ」よりも、「白貂を抱く貴婦人」と「ラ・ベル・フェロニエール」に描かれた女性のほうが好みです。女性と言えば、デッサンの段階で終わってしまった「イザベッラ・デステの肖像」の完成作を見たかったなと強く思います。

本書のおかげで、レオナルドの作品を巡って各地を旅した気分になりました。