榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

著者がこれぞ最適と評価する参考図書(レファ本)150冊を一挙紹介・・・【情熱的読書人間のないしょ話(1563)】

【amazon 『使えるレファ本150選』 カスタマーレビュー 2019年7月29日】 情熱的読書人間のないしょ話(1563)

夕刻、千葉・流山の流山おおたかの森駅の脇で、これまで耳にしたことのない、けたたましい音が響き渡っています。何事かと見上げると、空いっぱいに野鳥が群がっているではありませんか。正体は、ケヤキの大木に集う何百羽というムクドリの大群でした。因みに、本日の歩数は10,560でした。

閑話休題、『使えるレファ本150選』(日垣隆著、ちくま新書)は、ものを書いたり調べたりするときに役立つ参考図書――辞書、事典、年鑑、便覧、図録、ハンドブック、白書、統計集、教科書などのレファ本――について、著者がこれぞ最適と評価する150冊が紹介されています。

著者が薦める『記者ハンドブック』『朝日新聞の用語の手引』『毎日新聞用語集』うち、私は『記者ハンドブック』を座右の書として、長年、愛用しています。「文章を書くことを生業とする者、あるいはサイト上で日記を公開する人たちは、これらプロ仕様のハンドブックのすべてを熟読玩味し、いずれかを常備しておくべきでしょう」。

著者推薦の『詳説 世界史』は、私もパソコンの脇に備えています。「歴史的な事件、あるいは宗教がらみの理解が必要なとき、または文化的な背景を復習したいときは、高校の教科書にまさるものはありません。そもそも世界史の知識は、少なくとも『書く仕事』には必要不可欠です。ぜひ購入しておきましょう」。

早速、これは購入しなければと書名を控えたのは、『世界の古典名著 総解説』です。「『世界の古典名著 総解説』では、世界史の教科書に登場するような文科系の古典が網羅的に紹介・解説されています。それゆえに、レファレンスとして役立つはずです」。著者は挙げていないが、私は、『世界の古典名著 総解説』と同じ自由国民社から出版されている『世界文学の名作と主人公 総解説』を重宝しています。

もう一冊、興味深いのは、『逆境の人々』です。「多くの偉人たちは、逆境を克服した、あるいはもっと積極的に逆境を利用した、といってよいのかもしれません。同書は、<三歳で母を失う・・・二八歳で結婚、三年後に夫が病死、気をまぎらわすために、『源氏物語』の執筆にとりかか>った紫式部、<一三歳の時、父死去・・・条約改正に努力中、爆弾を投ぜられ片脚を失>った早稲田大学の創立者・大隈重信、<九歳で母、一二歳で父死去>の諸葛孔明、<夫が軍艦に乗って外洋に出ている間に、母がある大学教授と通じて生まれた>メルロ・ポンティ、<誕生の半年前、銃の暴発事故で父が死去>したソルジェニーツィンなどなど、古今東西の『逆境の人々』千数百人が淡々と紹介されてゆきます」。